東北楽天は25日、田中将大の新ポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍を容認した。新システムでは選手の移籍を認めたNPB球団が、2000万ドル(約20億円)を上限に入札金額を設定。その金額で入札した全チームと交渉可能になる。楽天は上限の2000万ドルを入札額にするとみられるが、先発の柱を補強したい複数球団による争奪戦になることは必至だ。
 移籍にGOサインが出たことで、田中フィーバーが一層、過熱する。
 MLBとNPBの新システム合意直後、田中は楽天へメジャーリーグへの移籍希望を正式に表明。球団は残留を要請し、回答を保留していた。今回の制度は入札金の上限が決まっており、楽天側にはメリットが少ない。そのため移籍を容認すべきか、三木谷浩史オーナー、立花陽三球団社長を中心に協議を続けてきた。だが、最終的には球団初の日本一に貢献したエースの希望を汲み、移籍を認めることとなった。

 今後は楽天が設けた入札金に対して、何球団が応じるかが焦点となる。交渉期間はメジャーリーグ30球団に申請が通知されてから30日間。新制度では設定金額で入札した全チームと交渉ができるため、選手側に選択権がある。

 したがってメジャーリーグの各球団は年俸などの条件面を手厚くし、田中にオファーを出すことは確実だ。先発のコマ不足に泣くニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャースといった資金力のある球団が有力候補になるだろう。米国では10球団以上が獲得に名乗り出るとの報道もあり、そうなると30日間では交渉のチャンスも限られてくる。各球団がどんな条件を提示し、本人の心をわしづかみにするのか。獲得希望球団にとっても、田中にとっても慌ただしい年末年始となりそうだ。