“タカマツ”ペア、「二人ならできる」で壁超える ~バドミントン~

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 世界バドミントン選手権大会が中国・南京で30日に開幕する。日本勢は全種目で表彰台に上がるチャンスがあり、メダルラッシュが期待される。中でも女子ダブルスは19日時点でのBWF世界ランキングのベスト5のうち3組が占めている。同3位の髙橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス)はリオデジャネイロオリンピック金メダリスト。今大会の優勝候補である。

 

 オリンピック金メダル、BWFランキング1位、スーパーシリーズファイナルズ制覇と数々の栄光を手にしてきた“タカマツ”ペアにとって、世界選手権は“鬼門”だった。ここ数年、ベスト16の壁を超えられずにいた。それが昨年、過去最高成績の銅メダルを獲得。しかし、福島由紀&廣田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)はその上をいく銀メダルを手にした。

 

 日本代表の後輩に先を越されても肩肘を張る様子は見られない。髙橋は「今はオリンピック2連覇が一番の目標。もちろん金メダルを狙いますが、まずは力が出し切れたらいいと思っています」と口にする。松友も「自分たちが準備してきたことを出し切ることの積み重ね。そこに結果がついてくれればいいです」と続いた。

 

 一時は引退も頭を過っていたという髙橋。彼女の中では「松友と続けるか、引退するか」の2拓だった。昨年末、二人は話し合った。「あのままダラダラと中途半端な気持ちでやっていても辞めた方がいい。先輩ともう一度オリンピックで金メダルを獲りたいという想いがあった。2人で覚悟を決めました」と松友。互いに胸の内をぶつけ合い、腹をくくった。

 

 2年後のオリンピックに向けて、走り出した“タカマツ”ペア。「リオの時以上の気持ちで、“オリンピックで絶対2連覇する”。もう何も迷わない」(髙橋)。5月の女子団体世界一を決めるユーバー杯で、第2ダブルスとして4戦全勝を挙げ、37年ぶりの優勝に貢献した。直近のワールドツアーではマレーシアオープンで優勝。インドネシアオープンはベスト4、タイオープンは準優勝と安定して上位に進出している。

 

 今大会のライバルは世界選手権同種目で14連覇中の中国勢だろう。第3シードの“タカマツ”ぺアは早ければ準々決勝、準決勝で対戦の可能性がある。決勝まで進めば、福島&廣田との日本人対決も有り得る。世界選手権に対し、特別意識はないと口を揃える髙橋と松友。聖ウルスラ学院英智高校時代にペアを結成してから10年以上の歳月が経った。熟練のコンビネーションを武器にオリンピック2連覇を目指す。まずは北京を、その足が掛かりにしたい。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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