ボクシングのロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(三迫)が22日、中国・マカオでプロ3戦目(73.4キロ契約、8回戦)に臨み、カルロス・ナシメント(ブラジル)に4R43秒TKO勝ちを収めた。これで村田はデビューから3戦連続KO勝利。初の海外試合で世界へのアピールに成功した。
 世界タイトルマッチも経験しているベテランを相手にしなかった。
 4R、右のストレートがヒットして、ロープ際に追い込むとラッシュを仕掛ける。一方的な展開にレフェリーが試合を止めた。

「狙っていたことができた。それを海外でできたのがうれしい」
 試合後の本人も納得の完勝だった。

 ガードを固めるあまり、ジャブが少なかった前戦の課題をきっちり修正した。立ち上がりから上体を揺らしながらのステップワークで、相手に的を絞らせない。適度に距離をとって左ジャブを突き、接近すれば、左ボディ、右ストレートを打ち込む。1Rでペースをつかんだ。 

 ナシメントは32戦29勝23KOの強打の持ち主も、村田が被弾する場面はほぼ皆無。3Rにはボディを嫌って相手のガードが下がってきたところへ右アッパーをヒットさせてぐらつかせる。連打の中で左フックで顔面をとらえ、ダウンを奪った。

 村田にとってはプロ転向後、海外では初めての試合。今回の興行は北京、ロンドン五輪でライトフライ級を連覇した鄒市明(中国)、ロンドン五輪ライトヘビー級覇者のイーゴリ・メホンツェフ(ロシア)と金メダリスト3人が出場し、「リング・オブ・ゴールド」と銘打たれた。注目を集めた中で内容を伴った結果を残したことは今後につながる。

「落ち着いてできた。意外と自分が強心臓だなと思った(笑)」
 真価を問われる一戦を最高のかたちで締めくくり、村田はまたひとつ階段を昇った。