富山GRNサンダーバーズの吉田凌太です。今季、3年目のシーズンにして初めて前期、後期を通して先発で起用されて、体力的にはきつい面もありますが、とてもやりがいを感じています。昨季はケガで出遅れたこともあり、今季は後期優勝を目指すチームのためにフルに貢献できているのが何よりもうれしいですね。

 

 乾と伊藤監督のアドバイス

 高校を卒業して富山に入団して3シーズン目、ピッチングがどういうものなのかがわかってきました。振り返ればこれまでは「ただ投げていただけだな」と感じています。今季は自分なりに成長できていると思っています。成長した一番の理由は今季から富山に入団した乾真大さんの存在です。

 

 元NPB(北海道日本ハム、巨人)の乾さんは、言うなれば投手として見て学べる最高の教材です。それが同じチームで身近にいるんですから、こんなありがたいことはない。しかも乾さんは聞けば何でも教えてくれるし、気付いたことがあったら積極的に声をかけてくれます。

 

 そのアドバイスの中でも「ピンチのときの考え方」が特に役立っていますね。ランナーを背負った場面で「ここは1点をやっていいのか、それともゼロじゃないとダメなのか」と、ゲームの状況や場面に応じてのピッチングが大切だと教わりました。言われてみれば当然のことですが、今まではただ抑えようとして投げていた。それで力んでしまって無駄に失点することも多かったのが、随分と変わりました。

 

 今季から指揮を執る伊藤智仁監督も投手出身者として、いろいろとアドバイスをしてくれます。僕はクイックモーションがあまりうまくなくて、結構、走られることが多かった。それでセットポジションで球持ちを長くするというアドバイスをもらいました。確かにそうすることでランナーとの駆け引きもできて盗塁されることも減っています。

 

 2人から多くを学んだことで、NPB出身選手や外国人の打者を相手にしたときも、「こういう場面だから、こう投げよう」と落ち着いて考えて、そのとおりに投げられています。本当に伊藤監督、乾さんからは学ぶことが多い。同時に僕がNPBに行くためにはまだまだ足りない部分があるんだな、と痛感させられています。

 

 身長165センチと小柄で球速も130キロ未満ですが、その分、キレとコントロールで勝負しています。持ち球はストレートとツーシーム、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークボール。コースと高低を間違えると外野へ運ばれるので、そこは気をつけています。夢であるNPBへ行けるように、そして地元出身者として富山県の野球少年たちにもっと野球を好きになってもらいたい。そう考えて日々、プレーしています。

 

 後期優勝を目指し、そしてその先の独立リーグ日本一を狙う富山への応援をよろしくお願いします。

 

<吉田凌太(よしだ・りょうた)プロフィール>富山GRNサンダーバーズ
1998年3月13日、富山県出身。小学校1年から野球を始め、当時のポジションは外野手。小4からピッチャー&ショートに転向し、小6でチームのエースとなった。中学時代は富山東部ボーイズに所属、中2時に全国大会に出場した。高校は新湊に進み3年夏、県大会ベスト4。16年、地元の富山GRNサンダーバーズに入団。ルーキーイヤーは13試合に投げて0勝2敗。翌17年、ケガのため前半戦は出遅れたものの11試合に登板し3勝1敗。3年目の今季はここまで4勝4敗。左投左打。身長165センチ(体重60キロ)と小柄ながらキレのあるストレートとツーシーム、カットボールなど多彩な変化球を操り、抜群のコントロールで打者を手玉に取る。目標とする選手は石川雅規(東京ヤクルト)。


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