秋山大地(帝京大学ラグビー部/徳島県阿波市出身)第1回「V10へ引っ張る深紅の重戦車」

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 全国大学ラグビーフットボール選手権大会10連覇を目指す帝京大学。今年度より“深紅の王者”のキャプテンを務めるのはロック(LO)の秋山大地(4年)だ。身長192cm、体重110kgの恵まれた体躯を生かしたパワフルなプレーが持ち味である。攻守両面で重戦車の如く相手をなぎ倒していく。

 

愛媛新聞社

 

 

 

 

「日本人では数少ないリアルロック。彼の魅力は攻守での力強さです。タックル、ボールキャリー(ボールを前に運ぶこと)、スクラム、モールで威力を発揮してくれている」

 帝京大の岩出雅之監督は秋山を高く評価する。その実力はフッカー(HO)の堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ)、No.8の姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、スクラムハーフ(SH)の流大(サントリーサンゴリアス)ら多くの日本代表選手を育ててきた名将のお墨付きだ。

 

「自分ができることは身体を当て続けること」

 強靭なフィジカルを生かし、攻守で貢献することは、秋山自身もこだわっている部分である。プレースタイル同様、「コツコツやることは得意」という。岩出監督も「真面目で誠実そのもの」と、何より彼の人間性を買っている。

 

 秋山の真摯に取り組む姿勢は他の部員も認めるところだ。同学年の上田楓マネージャーはこう証言する。

「多くは語らず、弱音を吐かないところは、1年生の時から変わりませんね。キャプテンになって責任感が増したと思います」

 

 秋山は雄弁なタイプではない。グラウンドの上では華やかさに欠けるかもしれないが、泥臭く堅実なプレーを身上とする。

 

 不器用で誠実な新リーダー

 

 帝京大ラグビー部のキャプテンは新4年生たちの話し合いで決まる。秋山も仲間たちからの推薦を受け、ミーティングを重ねるうちに、リーダーとなる覚悟を固めていった。

 

 高校時代はつるぎ(入学時は貞光工業。秋山の3年時に美馬商業と統合し、現校名になった)と高校日本代表でキャプテンを務めた。帝京大進学後も学年リーダーを任されたこともあり、チームをまとめる経験はある。

 

 とはいえ節目のV10が懸かるチームのキャプテンだ。その重圧は計り知れない。

「10連覇は入学当時からずっと意識していたことです。正直、プレッシャーもありますが、楽しみでもあります。10連覇にチャレンジできるのは自分たちしかいないので、それを成長の糧にして結果を残し、後輩たちにバトンを繋げればいいと思っています」

 

 秋山には理想のキャプテン像がある。

「チームのスタンダードを引き上げること。誰が見ても手本と思われる存在で、まわりを高いレベルに引き込んでいけるかどうかが重要だと思っています。だから自分にも人にも厳しくやっていくつもりです」

 紡ぎ出す言葉に決意をにじませた。

 

 真面目にコツコツ――。地道に努力を重ねることは、どちらかといえば得意だ。しかし、周囲に対して叱咤激励することは不得手だと思っていた。

「キャプテンになってみて、それは苦手というより、自分の甘さだなと気付きました」

 苦手ではなく、甘さと捉える。飽くなき向上心が、ここまでの秋山の成長を支えている。

 

 不器用だが、誠実な新リーダー。21歳のラガーマンはかつて野球少年だった。実は秋山が野球を始めたのも、ラグビーに転向したのも、その背中を追いかける憧れの存在がいた――。

 

(第2回につづく)

 

秋山大地(あきやま・だいち)プロフィール>

1996年11月14日、徳島県阿波市生まれ。小中学生時は野球部に所属し、高校からラグビーを始めた。ポジションはロック。貞光工業(現つるぎ)高では1年時に花園出場。3年時にはキャプテンを務め、高校日本代表にも選ばれた。帝京大進学後は1年時に公式戦出場。3年時にレギュラーの座を掴み、関東大学対抗戦7連覇と全国大学選手権9連覇に貢献した。今年度から主将を務める。身長192cm、体重110kg。

 

(文・写真/杉浦泰介)

 

 

愛媛新聞社

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