15日、J1第3節が各地で行われ、徳島ヴォルティスは神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で横浜F・マリノスに0対3で敗れた。徳島は開幕3連敗。序盤から横浜FMにボールを支配されると、14分、MF富澤清太郎に先制ゴールを奪われた。その後、反撃を試みるもなかなかかたちをつくれず、1点ビハインドで試合を折り返した。後半も相手に押し込まれ、後半15分にFW伊藤翔、32分にはMF藤本淳吾に決められた。攻撃陣は3戦連続の無得点。完敗の徳島は、次節(23日)、ホームに柏レイソルを迎える。

 開幕から未だノーゴール(ニッパ球)
横浜F・マリノス 3−0 徳島ヴォルティス
【得点】
[横浜FM] 富澤清太郎(14分)、伊藤翔(60分)、藤本淳吾(77分)
 力の差は歴然だった。徳島は横浜FMにボールを支配され続け、幾度もピンチを迎えた。攻撃も攻守の切り替えが早い相手の前に思うようなかたちをつくれず、シュート数は4本に留まった。

 試合は前半14分に動いた。MF中村俊輔に右サイドからのFKをゴール前へ入れられると、これを富澤に頭で合わせられた。MF斉藤大介は「セットプレーは特に注意はしていたが、質のいいボールと中で合わせるタイミングで守り切れなかった」と失点シーンを振り返った。

 反撃を試みた徳島だが、横浜FMの素早いプレスになかなかボールを前に運べない。時折、ロングボールを放り込み、FWクレイトン・ドミンゲス、FW高崎寛之がボールを受けるものの、周囲のフォローがなく孤立してしまうことが多かった。高崎は「ボールを入れた時のサポートや、チームとしてやるべきことを徹底してやっていかないといけないと」と課題を口にした。

 1点をリードされて迎えた後半も、徳島は主導権を握ることができない。
 15分にはまたもセットプレーから追加点を許した。ゴール正面からのFKを中村に直接狙われ、ゴール左に飛んだシュートをGKが弾く。しかし、こぼれ球をDF栗原勇蔵に拾われ、中央への折り返しを伊藤に押し込まれた。

 何とか反撃の糸口を掴みたい徳島は16分、DF那須川将大、26分にはMF花井聖を投入。左サイドバックのアレックスを中盤に上げて攻撃の活性化を図った。しかし、横浜FM守備陣の前に、なかなかシュートまで持ち込めない。

 すると32分、鮮やかな連係から横浜FMにダメ押し点を決められた。左サイドでの細かいパス交換から、藤本にPA内へ抜け出され、ゴール左へ流し込まれた。

「立ち上がりが悪かった。10分は乗り切ったが、15分のところで前後半ともに失点。しかも二つともリスタートからだった。その後に裏を取られての3失点目も残念な失点の仕方だった」
 小林伸二監督がこう語ったように、徳島は流れの中で奪われたのは3失点目のみ。あとは寸でのところで防げていた。ゴール近くでセットプレーのチャンスを与えてしまったことが悔やまれた。

 また、攻撃ではボールを前に運ぶこともままならなかった。ドリブルを仕掛けても簡単にボールを奪われ、前へのスピードを上げようとしたところでは出し手と受け手の呼吸が合わずにパスカットされる場面が多く見受けられた。今後は相手のプレスを回避しながら、いかにボールを前に運ぶかがポイントとなる。

 開幕3連敗は徳島のみ。サポーターも初ゴール、そして初勝利を心待ちにしているに違いない。

(鈴木友多)