日本時間1日、コスタリカで「FIFA U−17女子W杯」準決勝が行われ、U−17女子日本代表が同ベネズエラ代表を4対1で下し、決勝進出を決めた。序盤から主導権を掴んだ日本は前半13分、MF長野風花のゴールで先制。33分にはDF市瀬菜々が追加点を奪い、2点をリードして試合を折り返した。後半も日本ペースが続き、7分にFW小林里歌子、18分にもMF杉田妃和が決めてベネズエラを突き放した。終了間際、FWデイナ・カステジャノスにゴールを決められたものの、快勝で2大会ぶり2度目の決勝進出を決めた。5日の決勝では、同スペイン代表と戦う。

 長野、快勝呼ぶ先制ミドル弾(コスタリカ)
U−17女子日本代表 4―1 U−17女子ベネズエラ代表
【得点】
[日本] 長野風花(13分)、市瀬菜々(33分)、小林里歌子(52分)、杉田妃和(63分)
[ベ] デイナ・カステジャノス(90分+2)
 南米女王を寄せ付けなかった。日本は身体能力で勝る相手を、高い技術と連係で翻弄。序盤からゲームを支配し、終始、ベネズエラを押し込んだ。

 中央を固めてくる相手に対し、日本はサイド攻撃からチャンスをつくった。13分、左サイドからのクロスを、小林が中央で収めて後方に落す。これを長野がPA手前から右足で振り抜き、ゴール左下へ突き刺した。

 先制した日本は33分、セットプレーから追加点を奪う。右サイドで得たFKを、杉田がゴール前へグラウンダーのボールを入れ、日本の選手がニアサイドに飛び込む。しかし、ボールは誰にも触れずファーサイドへ。流れてきたボールを、市瀬が難なく押し込んだ。

 その後もDF松原志歩がクロスバー直撃のシュートを放つなど、日本は主導権を握ったまま、試合を折り返した。

 後半も日本の攻勢が続いた。7分、小林が3点目を決めた。MF長谷川唯が左サイドに開いてパスを受けると、左足でライナー性のクロス。これを、小林が右足ダイレクトでゴールに流し込んだ。攻撃の手を緩めない日本は18分、杉田がPA内で倒されてPKを獲得。杉田自身がPKをしっかりと沈めて、勝利をほぼ手中に収めた。

 守備面では、長身でスピードのあるカステジャノスにロングボールを放り込んでくるベネズエラに対し、各選手が落ち着いて対応。ひとりがドリブルコースを切ってスピードを遅らせ、周りの選手と相手を囲んでボールを奪っていた。

 しかしアディショナルタイムに一瞬のスキをつかれた。左サイド、日本陣地深くのスローインからボールをつながれ、クロスをカステジャノスに頭でゴールネットを揺らされた。日本はこれが大会初失点。DFがマークを捕まえきれなかった。決勝に向けて、リスタート時のマークの確認を徹底したいところだ。

「いい時間帯に点が入った。点差以上にプレッシャーがあったが、選手が我慢強く戦った」
 高倉麻子監督は、選手たちに賛辞を惜しまなかった。思えば、高倉監督は大会前に「W杯では6試合を戦い、優勝を狙う。(決勝のある)4月4日(日本時間は5日)まで必ず試合をしたい」と語っていた。見事、公約を果たしたかたちだ。

 決勝では「今まで積み上げてきたものを、全力で出すだけ」と指揮官。リトルなでしこが、いよいよ世界一をかけた大一番に臨む。