11日、サッカー日本代表(FIFAランキング55位)は吹田スタジアムでコスタリカ代表(32位)と親善試合を行い、3対0で勝利した。試合は前半16分にオウンゴールで日本が先制。後半に入ると、21分にFW南野拓実(ザルツブルク)、アディショナルタイムには途中出場のMF伊東純也(柏レイソル)がゴールネットを揺らし、森保ジャパンは白星スタートを切った。

 

 南野、伊東が代表初ゴール(吹田スタジアム)

日本代表 3-0コスタリカ代表

【得点】

[日] オウンゴール(16分)、南野拓実(66分)、伊東純也(90+3分)

 

 4年後のカタールW杯に向けて「世代間の融合」をテーマに掲げる森保一監督。初陣のコスタリカ戦のピッチにはリオデジャネイロ五輪のエースのMF中島翔哉(ポルティモネンセ)や東京五輪世代のエース候補MF堂安律(フローニンゲン)らをスタメンで送り出した。

 

 システムはシンプルな4-4-2を採用した。試合開始とともに2トップのFW小林悠(川崎フロンターレ)とFW南野拓実(ザルツブルク)が前線からプレスをかける。その際、必ず内側のパスコースを切り、相手をタッチラインに追い込む約束事を徹底していた。

 

 守備でリズムを引き寄せた日本は16分に右CKから先制点をあげる。キッカーの中島がニアにクロスを入れるとDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)が頭で合わせる。これをDFブライアン・オビエトがヘディングでクリアーを試みるがボールはゴールネットに吸い込まれた。ラッキーなかたちで森保ジャパン初ゴールが生まれた。

 

 20分には中島が相手をかわして右足でロングシュート、23分にはFW小林悠(川崎フロンターレ)からパスを受けた中島がペナルティーアーク付近で右足を振り抜くが枠外。新生日本代表の10番に続けてチャンスが訪れたがゴールには至らなかった。

 

 39分には連携でファンを魅了した。MF遠藤航(シントトロイデン)のミドルパスを小林がペナルティーエリア付近で胸で落とす。このボールに反応した南野がダイレクトで右足ボレーを放つが相手GKにセーブされた。リードは1点のみだったが、良いかたちを作って試合を折り返した。

 

 後半に入ると日本が試合のペースを掌握する。

 

 東京五輪のエース候補・堂安にチャンスが訪れた。14分、左サイドで中島、小林とつなぎ、ゴール前に走り込む堂安にボールが渡る。堂安は飛び出したGKの位置を見てふわりとボールを浮かせたが惜しくもGKの手に当たった。その5分後にはペナルティーエリア内右サイドでこぼれ球を拾うと左足で切り返し、右足でシュートを放ったが惜しくもゴール左にそれた。

 

 21分には南野が結果を残す。左サイドでボールを受けた遠藤がグラウンダーで中に折り返す。このクロスに南野がワントラップして左足でシュートを放ち、待望の追加点を奪った。以降、森保監督はMF天野純(横浜F・マリノス)、DF守田英正(川崎フロンターレ)、伊東らをピッチに送り出した。すると、後半アディショナルタイムに柏のスピードスター、伊東がペナルティーエリア内右サイドから内側に切り込み、左足でシュート。ボールは相手GKの手を弾き、左サイドネットに吸い込まれた。

 

 試合後、代表初ゴールを決めた南野はこう語った。

「(森保ジャパンの)初戦で勝てて自分もゴールできてよかった。アジアカップまで競争の中で勝ち残っていきたい。10月のキャンプにも選ばれるように(所属)チームで頑張りたい」

 

 A代表を初めて指揮した森保監督は「選手がいい準備してくれた。まだまだスタートしたばかり。常に成長して上を目指していきたい」と気を引き締めた。森保ジャパンは随所に好連携を披露し、4年後のカタールW杯に向けて上々の船出となった。

 

(文/大木雄貴)