27日、世界柔道選手権最終日がアゼルバイジャン・バクーで行われた。男女混合団体戦は決勝で日本がフランスを下して連覇を達成。個人種目で男女7階級を制したゴールドラッシュを締めくくった。日本のメダル獲得数は金8、銀5、銅4の計17個。昨年のハンガリー・ブダペスト大会と並ぶ金メダル獲得数(8個)。メダル総数(13個)では上回った。次回の世界柔道は東京で開催する。

 

 今年の世界柔道も団体戦を制して締めた。来年、再来年と続く自国開催のビッグイベントへ弾みをつけた。

 

 混合団体戦は男子が73kg以下、90kg以下、90kg超、女子は57キロkg以下、70kg以下、70kg超の6階級計6人が出場。初戦のモンゴル戦は4対0と順当に勝ち上がった。準々決勝で地元アゼルバイジャンに苦戦も4対2で退けた。準決勝は韓国と北朝鮮の合同チーム。素根輝(福岡・南筑高)、原沢久喜(フリー)、芳田司(コマツ)、立川新(東海大)の4連勝で決勝へとコマを進めた。

 

 決勝の畳はフランスと共に上がった。トップバッターは原沢だ。リオデジャネイロ五輪の男子100kg超級銀メダリストは個人戦では悔しい銅メダルだった。原沢はゴールデンスコア方式の延長戦の末、優勢勝ちを収めて、日本が先手を取った。

 

 これに57kg級を制した芳田が一本勝ちで続くと、3番手の73kg級の立川は相手を反則負けに追い込んで王手をかけた。ところが4人目の70kg級銅メダリストの大野陽子(コマツ)がまさかの一本負け。3対1となった。5人目は90kg級の向翔一郎(ALSOK)。個人戦の出場はなかった23歳が鮮やかな一本で、大会連覇を決めた。

 

 連覇の立役者は20歳の立川だ。持ち味の組手の強さをいかんなく発揮した。同階級の橋本壮市(パーク24)がケガをしたため、全戦で起用された。4戦全勝で優勝に貢献。全日本男子の井上康生監督は団体戦で活躍した立川らを「来年、再来年の非常に期待している選手。よく頑張ってくれたと思います」と評価した。

 

 個人戦では60kg級の髙藤直寿(パーク24)、阿部一二三(日本体育大)が連覇した男子。井上監督は今大会の全日本男子をこう総括した。
「金2含めて7個。決して満足のいくものではない。ここで残った課題をしっかり受け止めて、次に繋げていきたい」

 

 一方の女子は7階級中5階級を制し、全階級で表彰台に上がるなど活躍が目立った。全日本女子の増地克之監督は「選手が持てる力を出し切ったことが繋がった。一喜一憂しないで、更にレベルアップをしていきたい」と気を引き締めた。

 

(文/杉浦泰介)

 

■関連記事■
立川新 FORZA SHIKOKU 2018年9月掲載 第1回第2回第3回最終回