3シーズン目のテーマは「超」 ~B.LEAGUEティップオフカンファレンス~
24日、男子プロバスケットボール「B.LEAGUE」2018-19シーズンのティップオフカンファレンスが東京ドームホテルで行われた。大河正明チェアマンのほか、23日に国際バスケットボール連盟(FIBA)公認の「The Terrific 12」(マカオ)で優勝した琉球ゴールデンキングスを除くB1リーグに所属する17チームの代表者が出席。リーグ3シーズン目に向けた抱負を語った。
力強く描かれた「超」の文字。今シーズン、リーグが目指すものは過去を超えることだ。
大河チェアマンは男子日本代表がFIBAワールドカップアジア地区2次予選で4連勝中のこと、前夜に琉球が国際大会で優勝したことを挙げ、「一歩二歩前進している」とリーグ創設理由のひとつ、国内バスケットボールの強化に対する手応えを口にした。
今シーズンは28日からのB2開幕を皮切りに、B1は10月4日にスタートする。競技レギュレーションを改訂し、外国籍選手の枠が拡大する。これによりチーム内の競争は激しくなり、競技力向上と選手強化に繋がると考えたのだ。
B1の開幕戦は船橋アリーナで東地区王者で昨シーズン準優勝の千葉ジェッツと中地区に戻った一昨シーズン準優勝の川崎ブレイブサンダースが他会場に先立って行われる。昨シーズンは東地区で優勝を争い、チャンピオンシップでは準々決勝でぶつかった。
チームを代表してティップオフカンファレンスに出席した千葉の富樫勇樹は「他のチームより2日早く、そしてホームで開幕できることはうれしい。これまでの結果と動員が評価されたと思っています」と感想を述べた。一方、川崎の篠山竜青は「3シーズン目の盛り上がりを占うような試合をしなければいけない責任を感じる」とコメントした。
リーグのテーマが漢字1字で表したことにちなんで出席した選手たちも今シーズンのチームを漢字1字で表した。千葉は「一」。富樫は理由をこう説明した。
「一番になる。ディフェンス、オフェンス、リバウンドとすべてのカテゴリーで一番に。今年は一番しかない」
全日本総合選手権大会は連覇中。昨シーズンは激戦区東地区を制した。残すはリーグタイトルのみだ。
川崎は「新」。親会社が東芝からDeNAに変わった。ユニフォームも新調し、篠山は「心機一転。新たな心持ちで臨むシーズン」と言う。外国人選手が2人加入したものの、主要メンバーの多くが残留した。得点源のニック・ファジーカス、シューターの辻直人を軸にした攻撃陣は健在である。
「進」という字を表したのは昨シーズンの覇者アルバルク東京だ。キャプテンの正中岳城は強い想いをにじませた。
「シーズンスローガンは『AHEAD』。先に押し進める。進化や進歩が求められる。こだわりを持って突き進んでいく」
連覇がかかるシーズンだが、タイトルを守りにいくのではなく、獲りにいく姿勢を貫く。「それぞれのシーズンが独立したものととらえています。新たな気持ちで取り組んでいる。いろいろなものを背負って前進していきたいです」。日本代表選手を欠きながらプレシーズンのアーリーカップ(関東地区)を連覇した。
A東京の開幕戦は10月6日。ホームのアリーナ立川立飛でサンロッカーズ渋谷との東京ダービーを迎える。SR渋谷はNBA経験者のライアン・ケリーを獲得。ロサンゼルス・レイカーズで共にプレーしたロバート・サクレとのコンビは他チームにとって、脅威になるだろう。
B.LEAGUEは昨シーズンと比べて平日開催のゲームを3倍に増やすという。観客動員に苦戦するクラブも現れるだろうが、試合のある日を広げることでバスケットボールに触れる機会増を狙う。B1の開幕戦は10月4日木曜日のナイトゲーム。興行としても今シーズンを占う試合となりそうだ。
(文・写真/杉浦泰介)