19日、J1第8節が各地で行われ、東京・味の素スタジアムではFC東京がセレッソ大阪を2対0で下した。前半はC大阪がFC東京を押し込む展開となったが、チャンスを生かせなかった。FC東京も速攻から好機を迎えたものの、ゴールを奪えず、スコアレスで試合を折り返した。後半は一転してFC東京が攻勢を強めた。後半21分、FW平山相太が先制点を奪うと、32分にはFW武藤嘉紀が追加点を決めた。C大阪はボールを前に運ぶものの、相手守備陣を崩すには至らなかった。

 日本代表・柿谷、開幕8戦ゴールなし(味スタ)
FC東京 2−0 セレッソ大阪
【得点】
[F東京] 平山相太(66分)、武藤嘉紀(77分)
「本当に責任を感じているし、チームにも迷惑をかけていることは自分が一番分かっている」
 エースナンバー「8」を背負った男の顔は厳しいままだった。柿谷は開幕から8試合連続ノーゴール。チームも公式戦6戦未勝利と低迷していることもあり、エースとしての責任を強く感じていた。

 前半15分、柿谷はPA内でボールを受けてシュートを放つが、大きく枠を外れた。直後にも、ドリブルからシュートに持ち込んだものの、これはDFに阻まれた。中央にはMF山口蛍がいた。ゴールを意識するあまり、柿谷の冷静な判断に狂いが生じているように映った。40分には、PA手前で相手DFをかわし、右足を振り抜くも、GK正面。チームもチャンスを迎えるものの、ゴールを奪うことはできず、無得点で試合を折り返した。

 後半の立ち上がりも、C大阪がF東京を押し込んだ。3分、DF酒本憲幸が右サイドを攻め上がり、クロス。これに柿谷が合わせようと飛び込むが、わずかに触れなかった。11分には、ショートカウンターから柿谷がドリブルでボールを運んでから、右に開いたFWディエゴ・フォルランにパスを出し、ゴール前へと走り込む。フォルランからのクロスに頭で合わせたが、ゴール上に外れた。

 チャンスを決めきれないでいると、ペースはF東京に傾いていった。21分、DF太田宏介が左サイドで仕掛け、ゴール前に上がったクロスに平山が左足でゴールに流し込んだ。32分には、武藤にパス交換からPA内へ進入され、追加点を決められた。

 攻めるしかなくなったC大阪だが、F東京の連動した守備組織を崩せない。柿谷も前線で動き出しを繰り返し、ボールを呼び込むが、シュートには持ち込めかった。

「得点しないといけない人がこれだけ点を取れないと、チームは勝てないと思う。先制点を取ってあげられたらチームが落ち着く」
 柿谷は自身にチーム低迷の要因があると述べた。相手守備陣から厳しいマークを受け、ボールを受ける回数も多いとは言えない状況だ。しかし、「それでも、限られたチャンスはある。そういうところで決めないといけない。こういう状況を乗り越えていきたい」と柿谷。苦しみを抜けた先の爆発へ。まずは渇望する今季初ゴールを狙い続ける。