巨人、投打かみ合い快勝 ~セ・リーグ 2018クライマックスシリーズ~

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 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ第1戦が13日、神宮球場で行われ、巨人が東京ヤクルトを4対1で破った。巨人は初回、岡本和真の犠牲フライで先制。一度は追いつかれたが、3回に坂本勇人のホームランで勝ち越した。7回表に2点を追加した巨人が継投で逃げ切った。

 

◇ファーストステージ第1戦
 山口、2イニングパーフェクトの好救援(巨人1勝 神宮)
巨人     4 = 101|000|200
東京ヤクルト 1 = 010|000|000
勝利投手 上原(1勝0敗)
敗戦投手 小川(0勝1敗)
セーブ  山口(1S)
本塁打  (巨)坂本1号ソロ

 

 リーグ王者の広島が待つファイナルステージへ、巨人が一歩前進した。今季限りでの退任が決まっている高橋由伸監督の采配がズバリとハマッた。

 

 ヤクルトは巨人キラーの小川泰弘が先発した。今季4勝0敗、防御率1.53に加え16年4月以来、巨人戦負けなしである。巨人にとっては“天敵”をいかに攻略するかがカギを握る。

 

 先制したのは巨人だ。初回に1死二、三塁のチャンスをつくった。ここで打席に入るのは4番の岡本。打率3割9厘、33本塁打、100打点と今季大ブレークした和製大砲がライトへ打球を放つ。三塁ランナーを還す最低限の仕事。意外にも岡本にとって、プロ初の犠牲フライだった。

 

 2回裏に追いつかれたものの、巨人が再びリードを奪う。1番の坂本だ。1死ランナーなしから、アウトコースの変化球を泳ぎながらもレフトスタンド最前列へ運ぶ。主将のCS通算7号で2対1となった。

 

 巨人の先発は7年目のサウスポー今村信貴。坂口智隆、山田哲人、ウラディミール・バレンティン、雄平と並ぶ強力打線を相手に毎回ランナーを許しながらも、1失点と踏ん張った。しかし5回裏、ツーアウトを取ってから坂口にツーベースを浴びたところで、巨人ベンチが動いた。

 

 高橋監督は2番手に上原浩治を送る。幾度も修羅場をくぐり抜けてきた大ベテラン。NPB初のトリプルスリー3度達成の山田との勝負で空振り三振に切って取る。上原は回をまたぎ、6回もマウンドに上がった。バレンティンをファウルフライに打ち取ると、雄平と大引啓次を2者連続三振に仕留めた。

 

 すると上原の好投に打線が応える。1死一塁、打者・陽岱鋼の場面。巨人ベンチはヒットエンドランを敢行した。陽の打球がショートの頭上を越えると、一塁ランナーの長野久義が一気にサードも蹴って、ホームに還ってきた。貴重な追加点を加えると、代打・亀井善行にもタイムリーが生まれて3点の貯金を作った。

 

 7回は大卒2年目の畠世周が続く。シーズン終盤からセットアッパーを任される24歳。先頭の荒木貴裕にヒットを許したものの、後続をきっちり抑えた。

 

 8回から高橋監督は山口俊を投入。坂口、山田、バレンティンという1番からの好打順を三者凡退に切ってとると、最終回は雄平をサードゴロ、大引を空振り三振、荒木貴裕をライトフライで試合を締めた。 

 

 ヤクルトは8回にセットアッパー近藤一樹、9回にクローザー石山泰雅という勝ちパターンの投手をつぎ込んだ。執念の継投で反撃を待ったが、4安打と打線が振るわなかった。

 

(文/杉浦泰介)

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