セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第1戦が17日、マツダスタジアムで行われ、広島が巨人を6対1で破った。初回に先制した広島は、4回に鈴木誠也の2ラン、會澤翼のタイムリーでリードを広げる。7回に丸佳浩のホームラン、8回には安部友裕の適時打でダメを押した。先発の大瀬良大地は6回1失点の好投。その後を一岡竜司、ヘロニモ・フランスア、中﨑翔太と繋いで逃げ切った。

 

◇ファイナルステージ第1戦
 一岡&フランスア&中﨑、パーフェクトリレー(広島2勝 マツダスタジアム)
巨人 1 = 000|001|000
広島 6 = 100|300|11×
勝利投手 大瀬良(1勝0敗)
敗戦投手 メルセデス(0勝1敗)
本塁打  (広)鈴木1号2ラン、丸1号ソロ

 

 レギュラーシーズンを圧勝した広島が、CSでも盤石の強さを見せつけた。

 

 まず初回の攻防で明暗が分かれた。広島は今季15勝を挙げ、最多勝に輝いた大瀬良がマウンドに上がった。先頭の坂本勇人にストレート一本で勝負した。150㎞を超える速球で押したが、4球目をセンターに弾き返された。それでもリーグ3位の防御率2.62を誇った安定感は変わらず。続く田中俊太は4-6-3のダブルプレーに切って取るなどゼロで抑えた。

 

 一方の巨人は長身左腕のC.C.メルセデスがマウンドに送る。7月に支配下登録を勝ち取ったカープアカデミー出身のドミニカンである。メルセデスは先頭の田中広輔を歩かせると、菊池涼介にはセンター前に弾き返された。ヒットエンドランで一、三塁にピンチを招いた。3番・丸を2球で追い込みながらも、粘られた。最後は詰まったセカンドゴロでランナーが生還。先制を許した。

 

 互いに無死一塁のシチュエーションでヒッティングを選択した。巨人がゲッツーだったのに対し、広島はチャンスを広げて先制点に繋げた。どちらが流れを掴んだのかは明らかだった。

 

 4回裏にはリーグ最多得点の広島打線が火を噴く。まずは4番の鈴木。一塁に丸を置いて、メルセデスの初球を叩いた。インコースの変化球をうまく待って、レフトスタンドへ叩き込んだ。さらに1死一塁の場面で、強打の捕手・會澤と俊足・野間峻祥が魅せる。メルセデスの変化球を左中間に弾き返すと、野間が一気にホームまで滑り込んだ。

 

 4点のリードをもらった大瀬良はランナーを許しながらも粘りのピッチング。6回にはケーシー・マギーにタイムリーを浴びたものの、後続の岡本和真をキャッチャーフライに打ち取った。その後、陽岱鋼を歩かせて満塁のピンチを迎えても長野久義をセカンドフライに抑え、この回を最少失点でしのいだ。

 

 リーグ優勝を支えたブルペン陣も力を発揮した。7回から一岡、8回からはフランスアが登板。一岡は下位打線をきっちり三者凡退に仕留め、フランスアは最速158㎞のストレートで坂本から空振り三振を奪うなど好打順を3人で終わらせた。

 

 7回にはファーストステージのヒーロー上原浩治から丸がホームラン。8回にも安部のタイムリーでリードを5点に広げる。最終回は中﨑。この日“劇場”は開幕せずに岡本、陽、長野を10球で料理した。投打でスキを見せなかった広島が快勝。昨季は逃した日本シリーズの出場権獲得まで、あと2勝とした。

 

(文/杉浦泰介)