セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第2戦が18日、マツダスタジアムで行われ、広島が巨人を3対1で下した。試合は巨人が6回にケーシー・マギーのタイムリーで先制。広島は8回裏に新井貴浩のタイムリーで追いつくと、菊池涼介の3ランで勝ち越した。通算成績は広島の3勝。19日の第3戦は広島が九里亜蓮、巨人が今村信貴が先発する。

 

◇ファイナルステージ第2戦
 今季限り引退表明の新井、代打で殊勲の同点打!(広島3勝 マツダスタジアム)
巨人 1 = 000|001|000
広島 4 = 000|000|04×
勝利投手 ジョンソン(1勝0敗)
敗戦投手 田口(0勝1敗)

セーブ  中﨑(1S)
本塁打  (広)菊池1号3ラン

 

 広島のクリス・ジョンソン、巨人の田口麗斗の両サウスポーによる投手戦で幕を開けた。

 

 まずはジョンソン。女房役の石原慶幸が構えるミット目がけて、威力のある直球で押す。坂本勇人をファーストフライに打ち取ると、田中俊太とケーシー・マギーから連続三振を奪った。一方の田口はチェンジアップ、カーブを織り交ぜる緩急で勝負。丸佳浩にヒットは打たれたものの、初回をゼロで終わらせた。

 

 両左腕の好投でスコアボードにゼロが並ぶ。中でもジョンソンは6回までノーヒットピッチングの快投を演じた。しかし、坂本にヒットを許して大記録達成ならず。すると内野ゴロで坂本と入れ替わった田中がジョンソンを足で揺さぶる。田中は牽制で逆を突かれたが、そのままスタートを切って二塁に陥れる。続くマギーが右中間へ弾き返し、巨人が先制点を奪った。

 

 わずか1点でも援護をもらった田口は好投を続ける。6回裏、先制した直後の大事なイニングを三者凡退に切って取る。続く7回裏は、高橋由伸監督が田口に代えて畠世周をマウンドに送る。ファーストステージでも好投した畠は指揮官の期待に応え、先頭の丸を見逃し三振に仕留めると、鈴木誠也、アレハンドロ・メヒアも打ち取った。広島の緒方孝市監督はジョンソンを8回まで引っ張る。左のエースは最少失点で打線の奮起を待った。

 

 巨人ベンチは畠は8回も続投させる。結果から言えば、この回またぎが裏目に出た。大卒2年目のセットアッパーは簡単にツーアウトを取って、最終回に繋ぐかと思われた。しかし、代打・松山竜平を歩かせてしまう。松山には代走・上本崇司が送られ、バッターボックスには代打・新井が入る。畠は上本に二盗を許すと、「気持ちMAXで打席に入りました」という新井にはレフト線へ運ばれた。

 

 今季限りでの引退を表明している大ベテランの同点打にマツダスタジアムのボルテージも最高潮に達する。その最中、田中は冷静にフォアボールを選ぶ。一、二塁の場面で菊池が打席に入った。ここまでノーヒットの菊池だが、気合が入らないわけがない。真ん中に入った変化球を振り抜くと、打球を左中間スタンドへ届けた。広島が一気に3点のリードを奪って、9回を迎えた。

 

 9回表、守護神・中﨑翔太が連夜の登板。しかし中﨑は先頭のマギーにいきなり二塁打を打たれた。1アウト後、長野久義にフォアボール。一発が出れば同点のピンチを招いた。それでも中﨑は代打・阿部慎之助をライトフライ、亀井善行をセカンドゴロに打ち取って試合を締めた。

 

 2夜連続で広島が強さを見せつけた。前夜は投打がかみ合い完勝。この日は終盤に試合をひっくり返した。今季レギュラーシーズンで41度の逆転勝ち。“逆転の広島”の本領発揮である。第3戦の予告先発は九里。今季のリーグ優勝を決めた試合の先発右腕を送り、3タテで日本シリーズ進出を決めにいく。

 

(文/杉浦泰介)