セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第3戦が19日、マツダスタジアムで行われ、広島が巨人を5対1で下した。試合は広島が2回裏に野間峻祥のタイムリーなどで2点を先制。3回に丸佳浩のホームランが飛び出し、5回には相手のエラーから2点を加え、リードを広げる。巨人に1点を返されたものの、逃げ切った。これでアドバンテージを含め、通算成績は広島の4勝。2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。CSのMVPには攻守で貢献した菊池涼介が選ばれた。

 

◇ファイナルステージ第3戦
 野間、4得点に絡む活躍(広島4勝 マツダスタジアム)
巨人 1 = 000|001|000
広島 5 = 021|020|00×
勝利投手 九里(1勝0敗)
敗戦投手 今村(0勝1敗)

セーブ  フランスア(1S)

本塁打  (広)丸2号ソロ

 

 連勝で迎えた第3戦も広島の強さが際立った。

 

 先発の九里はリーグ優勝を決めた9月26日もスターターを任された。8回2安打無失点の好投で球団初の3連覇に貢献した右腕。坂本勇人を見逃し三振、田中俊太を空振り三振、ケーシー・マギーをセカンドゴロに打ち取った。上々の立ち上がりで試合の幕を上げた。

 

 先制は広島だ。巨人先発の今村信貴を攻め立てた。2回裏、先頭のアレハンドロ・メヒアがレフト線へのツーベースで出塁すると、野間が一塁線を破るツーベースで続く。早くも先制点を奪った広島は、後続の2つの内野ゴロで、野間がホームへ還ってきた。

 

 3回には丸。2ボールからの3球目、甘く入った変化球を見逃さなかった。打った瞬間、それとわかる当たり。ライトスタンドへ運ぶソロホームランで3対0と広島が快調に得点を重ねる。

 

 さらに5回、広島はヒットと2つのフォアボールで1死満塁のチャンスをつくる。ここで野間の打球はショートへ飛んだ。ところが坂本が後逸。ボールが外野へ転々とする間に2者が生還し、5対0とリードは広がった。

 

 ノーヒットの快投を続けていた九里だが、6回1死から坂本にツーベースを浴びた。田中俊太はサードゴロに抑えたものの、マギーにレフトへ弾き返された。1点を返された九里は、岡本和真にヒットを許したところでマウンドを降りた。

 

 だが巨人の反撃もここまでだった。後を受けた岡田明丈が阿部慎之助をレフトフライに仕留めた。7回は一岡竜司が三者凡退に抑える。8回はジェイ・ジャクソンが今季CS初登板。2死一、二塁のピンチをつくったがヘロニモ・フランスアが威力のあるストレートで岡本をファーストフライに打ち取った。

 

 広島の緒方孝市監督は9回、守護神・中﨑翔太ではなくフランスアを続投させた。カープアカデミー出身の大型サウスポーは威力のあるストレートをビシバシ放る。150㎞を超える速球で押して2アウトを奪う。最後はアレックス・ゲレーロを高めの真っすぐで3球三振。危なげなく試合を締めた。

 

 34年ぶりの日本一へ。まずはその挑戦権を得た。日本シリーズは27日から埼玉西武と福岡ソフトバンクのパ・リーグのCS勝者と対戦する。

 

(文/杉浦泰介)