FIFAブラジルW杯に臨む日本代表メンバーが、12日に発表される。果たして、06年の巻誠一郎、10年の川口能活のようなサプライズ選出はあるのか。それとも98年にカズこと三浦知良が落選したような衝撃が起きるのか。かつて日本代表で10番を背負った木村和司に、日本のキーマンになり得る選手について二宮清純が迫った。
二宮: アルベルト・ザッケローニ監督には、もっと選手を試して欲しいという声があります。待望論が大きいのは田中マルクス闘莉王。彼はまだ代表レベルで活躍できるのでは、と思うのですが?
木村: 闘莉王のようにガツガツものが言える選手がいた方がいいとは思いますが、監督が苦手なんでしょうね(苦笑)。でも、彼は一対一の場面でも対応できる。スピードの衰えは否めませんが、要は使い方次第ですよ。ああいう選手がほんとに必要になってくる状況は必ず出てくるものです。

二宮: 現在のディフェンスラインは、本番に向けて一抹の不安が残ります。
木村: 吉田麻也が今、負傷の影響もあり、試合に出ていないので不安は拭えないですね。また彼に求めたいのは高い集中力です。ディフェンスラインの選手はミスをすると、即失点につながる。攻撃に参加することも大事ですが、やはりディフェンダーは守備に集中することが第一でしょう。

二宮: W杯では一瞬の隙が致命傷になりますからね。攻撃面はいかがでしょう?
木村: 試しに大久保嘉人を入れてもいいんじゃないかと思います。常にいいポジションでボールをもらおうとしていますからね。

二宮: 確かに昨季のJリーグ得点王で、今季も体がキレていますからね。では、これまでのザックジャパンの主力で、W杯のキーマンになる選手は?
木村: 遠藤保仁ですね。遠藤が攻撃のリズムを作っていますから、彼がいなくなるとちょっと違ったサッカーになってしまうんじゃないかな。ザッケローニ監督のサッカーをやる上で、遠藤は周りを動かす心臓部。また遠藤は独特の間合いを持っていて、ボールを奪いに来させない。来ても、うまくいなすプレーできる。そういうところもピカイチだね。W杯でも期待できると思いますよ。

<現在発売中の『第三文明』2014年6月号でも、木村和司さんのインタビューが掲載されています。こちらもぜひご覧ください>