二宮清純: 引き続きゲストはお笑いコンビTHE GEESE(ザ・ギース)の尾関高文さんです。広島カープ芸人として知られる尾関さんが、そもそもファンになられたきっかけは?

尾関高文: 僕は広島県東広島市出身なんです。親父はバリバリの巨人ファンでしたが、おふくろがカープファンでした。親父は単身赴任で海外に行っていて、家を空けることが多かったので、一緒にいる時間が長いおふくろの影響が大きかったんだと思います。

 

二宮: 好きな選手はいましたか?

尾関: おふくろは大野豊さんの大ファンでした。大野さんが見られれば喜ぶので、子ども心に、もうひとりのお父さんというような感情を抱いていました(笑)。

 

 

 

 

 

 元助っ人とは“友達”

 

二宮: アハハハ。それは面白い。

尾関: あとウェイド・ロードンさんも好きでしたね。好き過ぎて、フェイスブックで見つけて“友達”になってもらいました。

 

二宮: ロードンさんは1989年から2年カープに在籍しました。好守のサードとして、89年にはゴールデングラブ賞にも輝いています。彼は今、何をしているんですか?

尾関: アメリカで神父をやっているそうです。

 

二宮: そうなんですか!? 強打の一塁手として活躍し、カープの初優勝に貢献したゲイル・ホプキンスさんが医者になった時も驚きましたが、ロードンさんもまさかの転身ですね。それにしても尾関さんはすごい。ロードンさんの近況までご存知だとは……。

尾関: ありがとうございます。実はシェーンことリッチー・シェインブラムさんもフェイスブックで友達になっていただきました。僕の誕生日になると、「おめでとう」とメッセージをくれるんです。フェイスブックでしか繋がっていませんが、「カープ優勝しました。シェーンさんが歴史を作ってくれたからおかげです」というようなメッセージを送ると、返事をしてくださるんです。今年は「衣笠(祥雄)さんにこの優勝を捧げたい」ということをおっしゃっていました。

 

二宮: シェーンさんはホプキンスさんとともに初優勝に貢献した助っ人です。

尾関: 御年75歳です。もう隠居生活をされているようですね。

 

二宮: それにしても交友関係が広いですね。

尾関: フェイスブックで昔カープにいた助っ人たちの近況が分かるのでファンにとってすごくありがたいSNSですね。

 

 背番号106の理由

 

二宮: 1977年生まれの尾関さんにとっては、カープの初優勝は生まれる前の出来事です。79年、80年と2年連続日本一、84年も日本一になりました。記憶にある一番古い優勝は?

尾関: ちゃんと覚えているのは91年のリーグ優勝が最初ですね。当時は中学生でした。

 

二宮: 広島に住んでいた頃ですか?

尾関: その時にはもう千葉に引っ越していました。

 

二宮: それから25年も優勝から遠ざかるわけですからね。よくカープファンをやめませんでしたね

尾関: 優勝はできませんでしたが、95、96年の時のカープは大好きです。

 

二宮: 打線は野村謙二郎さん、前田智徳さん、江藤智さん、金本知憲さんらの他に、現監督の緒方孝市さんもいました。投手陣は紀藤真琴さん、山内泰幸さん、佐々岡真司さん。さきほど名前の挙がった大野さんも健在でした。

尾関: 錚々たるメンバーですね。その中で僕は特にロビンソン・チェコさんが好きでした。

 

二宮: 『チェコにあこがれて』というタイトルのコラムを広島アスリートに連載中ですもんね。それにしてもロードンさんといいチェコさんといい、また渋いところに目をつけますね。

尾関: やっぱり助っ人外国人にロマンを感じるんです。すぐいなくなったりもするので、もの悲しさもあり、その一瞬のきらめきがたまらなく好きですね。

 

二宮: 当時のチェコさんのボールは相当速かったですよ。

尾関: 15勝を挙げた95年は、オールスターにも選ばれました。第2戦に先発して、トップバッターのイチロー選手から三振を奪った。当時のシーズン記録だった210安打を放った次のシーズンです。“あのイチローから三振取るなんてすごい”と驚きました。

 

二宮: 切れ味抜群のハードスライダーでしたね。

尾関: 中日で活躍したソン・ドンヨルさんばりのものすごいスライダーでした。

 

二宮: 実は僕、チェコさんとパチンコをしたことあるんです。日南のキャンプ取材に行った時、パチンコ店で会ったんです。彼はパチンコのやり方が分からないようなので、“こうやってやるんだ”みたいな感じで教えました。チェコさんは「サンキュー」みたいな感じでしたよ。その後は隣の席でパチンコしていましたよ。

尾関: それはめちゃくちゃ面白い話ですね。

 

二宮: しかしメジャーリーグではあまり活躍できませんでした。

尾関: そうですね。引退後は何をしていたかいろいろと調べてみました。母国のドミニカ共和国でタクシーの運転手をした後は農園を開いたみたいです。でも2000年ぐらい迄の情報しかわからなくて、もうその後のことは……。

 

二宮: フェイスブックはやっていないんですか?

尾関: チェコさんはやっていないですね。

 

二宮: 尾関さんが着ているユニホームが背番号106というのも?

尾関: はい。チェコの背番号だからです。今では支配下登録の選手は3桁番号を付けませんから、3桁で活躍した最後の選手だと思います。

 

二宮: 言われてみるとそうかもしれませんね。

尾関: 今、3桁は主にバッティングピッチャーの人が付けています。僕が106番を付けていると、その人が自分のことかと思って意識してくることもあるんです(笑)。「いや違うんですよ」とも言えないし、少し申し訳ない気持ちになります。

 

 酔うと謝る癖

 

二宮: 雲海酒造の本格芋焼酎『木挽BLUE』をお供にいろいろな話を伺いました。ところで、お酒にまつわる思い出は?

尾関: 僕は飲み過ぎると、すぐ人に謝るんです。

 

二宮: それはどういうことですか?

尾関: 「いつも申し訳ない」と謝ったり、知らないうちにいろいろな人に土下座をしたりして謝っていることもあるんです。

 

二宮: 酒を飲んで威張ったり、怒ったりする人はいますが謝る人は初めて聞きましたね。気が強くなる人は聞きますが、気が弱くなるんですね。

尾関: だからお酒はそんなに飲み過ぎないようにしています。今回の『木挽BLUE』は飲みやすいので、ついつい飲みすぎちゃいそうですけど(笑)。でもこうやって楽しい席でのお酒はいいですね。

 

二宮: 昔は芸人さんには破天荒なイメージがありましたね。

尾関: 今はそういう人少ないですね。みんな落ち着いて飲みますし、無理に付き合って飲まなきゃいけないという文化もなくなりつつある。昔ほど浴びるように飲んでいるという話はあまり聞きませんね。今は美味しく飲みたいという人の方が多い気がします。

 

二宮: それは芸能界に限らず、社会全般に言えることなのかもしれませんね。

尾関: そうですね。だから自分が芸人だと名乗った後に「芸人なのに尾関さん大人しいね」「お酒飲まないね」と言われるほどです。最近の芸人はみなさん落ち着いている。なんなら真面目と言ってもいいぐらいですよ(笑)。

 

二宮: よく飲みに行かれるような仲の良い先輩は?

尾関: カープの試合はアンガールズの田中(卓志)さんやチュートリアルの徳井(義実)さんに連れて行っていただいています。

 

二宮: 田中さんも広島県出身ですよね。

尾関: ええ。田中さんは本当に面白い方です。一緒に応援に行く時、テレビに映りたがるんですよ。自作のボードを作って行って、「尾関、これ持て。テレビに映るぞ」と言うんです。「いや、普段散々映っているでしょ」って(笑)。

 

二宮: 田中さんも高身長ですから、球場内で余計に目立ちそうですね。

尾関: だから興奮して相手がエラーしているのを喜んで「ざまあみろ」などとやっているとテレビ中継のカメラに抜かれて、心が汚いところが全国に映されたりすることはあります(笑)。あと去年の東京ヤクルト戦を神宮球場で観戦した時、田中さんから「尾関、これを持っていたら何かあるかもしれない」とグローブを渡されたんです。その直後に岡田明丈投手のファウルボールが飛んできた。

 

二宮: 今年は横浜DeNAのホセ・ロペス選手のホームランボールをキャッチしたとおっしゃっていましたが、それにしてもよく打球が飛んできますね(笑)。

尾関: 2人でテレビに映って、その時は大喜びしていましたね。

 

二宮: 何かを“持っている”んでしょうね。ところでお酒の味は?

尾関: キレがあってスマートな味わいですね。カープの選手で例えるならクリス・ジョンソン投手という感じでしょうか。

 

二宮: サウスポーからの“切れの良さ”ですか。

尾関: ええ。すっきりしていて、本当に飲みやすいです。ジョンソン投手は来シーズンも残るかわかりませんが、『木挽BLUE』にはお酒の席でのローテーションにはずっといてほしいですね。

 

二宮: 27日からは日本シリーズがスタートします。カープは34年ぶりの日本一をかけて福岡ソフトバンクホークスと戦います。

尾関: そうですね! 今年こそ日本一になって、もう一度祝杯をあげたいです。

 

二宮: 本業のお笑いでは、やっぱりコントを中心に?

尾関: はい。僕は事務所の先輩シティボーイズさんに憧れています。だからコントライブだけで何万人ものお客さんを集められようになることが目標です。来年の年明けぐらいには単独ライブを行う予定です。今はそれに向けてネタを作っていく感じですね。二宮さんもぜひ来てください!

 

二宮: わかりました。その時には『木挽BLUE』を差し入れに持っていきます!

尾関: ありがとうございます! 大歓迎です!

 

(おわり)

 

尾関高文(おぜき・たかふみ)プロフィール>

1977年8月6日、広島県生まれ。明治大学在学中にお笑いの大会で優勝し、スカウトされる。04年に高佐一慈とTHE GEESE結成。主にボケを担当する。08年にお笑いホープ大賞受賞するなどコントに定評がある実力派。キングオブコントには3度(08年、15年、18年)の決勝進出を果たした。またカープ芸人として知られ、連載コラムを持つ。著書は「芸人と娘」(飛鳥新社)、「やっぱりカープが好きじゃけん」(あさ出版)。ASH&Dコーポレーション所属。身長189cm。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、尾関さんと楽しんだお酒は芋焼酎「木挽BLUE(ブルー)」。宮崎の海 日向灘から採取した、雲海酒造独自の酵母【日向灘黒潮酵母】を使用し、宮崎・綾の日本有数の照葉樹林が生み出す清らかな水と南九州産の厳選された芋(黄金千貫)を原料に、綾蔵の熟練の蔵人達が丹精込めて造り上げました。芋焼酎なのにすっきりとしていて、ロックでも飲みやすい、爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。

 

提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>
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TEL:050-5798-6717


営業時間:

月~金 11:00~24:00(L.O.23:00)
土曜日16:00~23:00(L.O.22:00)

定休日 日曜日

 

 

☆プレゼント☆

 尾関さんの直筆サイン色紙を芋焼酎「木挽BLUE」(900ml、アルコール度数25度)とともに3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、件名と本文の最初に「尾関高文さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)を明記し、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストをお書き添えの上、お送りください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は18年11月8日(木)。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、尾関高文さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

 

(構成・写真/杉浦泰介)


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