5日、日本サッカー協会(JFA)はカズこと元日本代表FW三浦知良(横浜FC)をJFAアンバサダーとしてブラジルW杯へ派遣することを発表した。JFAが梅田邦夫駐ブラジル大使からの要請を受け、横浜FCとカズにブラジル行きを打診。J2はW杯期間中も中断しないが、カズが負傷で治療中ということもあり、クラブと本人が了承した。カズは日本の“顔”として現地で行われる式典等に出席する。しかし、一部報道にあった日本代表チームへの関与については、会見に出席した大仁邦彌JFA会長が「一切関与しない」と否定した。

“キングカズ”が思わぬかたちでザックジャパンをサポートすることになった。

 JFAは来年に日伯友好修好120周年を迎えることもあり、現地の各イベントに日本代表チームの出席を要請されたという。しかし、JFAはW杯本番を控えるチームに負担を強いるのは「現実的に難しい」と判断。そこで、白羽の矢を立てたのが、ブラジルでプロキャリアをスタートさせたカズだった。

「移民の歴史など、日本とブラジルの関係は特別。ブラジルは日本サッカーのレベルアップにも寄与している。その意味で、カズ選手は日本とブラジルのサッカーの結びつきを象徴するような選手。現地の人々にも喜んでもらえるのではないか」
 大仁会長はこのように語り、カズのブラジル派遣の経緯を説明した。

 カズは現在、左足つけ根部分の炎症で長期離脱中。ブラジルにはトレーナーを帯同させてリハビリも行いながら式典に参加する。日本対コートジボワール戦を観戦する予定だが、日本のキャンプ地訪問などは行わない。大仁会長は「(代表は)最も集中して大事にやらないといけない時期。カズ選手も『大事な時期』だからと言っている」とあくまでJFAアンバサダーとして活動してもらうことを強調した。

 後輩たちの負担を請け負い、抜群の知名度で現地の人々にも喜んでもらえる。カズが、カズにしかできないかたちで、日本の躍進を後押しする。