大会最大の激戦区 布陣充実のドイツが一歩リードか 〜グループG開幕前展望〜
今大会で最も激戦が予想されるグループだ。3大会連続ベスト4以上のドイツ、バロンドール受賞者のクリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガル、“ブラック・スターズ”ガーナ、スポーツ大国の米国。どの国にもグループリーグ突破のみならず、上位に進出する実力が備わっている。
ドイツは欧州予選を9勝1分けの圧倒的な強さで突破した。攻撃は欧州予選最多で36ゴールを挙げるなど、大会屈指の破壊力を誇る。主戦システムの4−2−3−1では、2列目にMFメスト・エジル、MFトーマス・ミュラーという得点力とチャンスメイク能力に長けた選手を揃え、ワントップには36歳のベテランFWミロスラフ・クローゼの起用が濃厚だ。クローゼは4大会目のW杯で、あと2点に迫っている大会通算ゴール数(最多は元ブラジル代表のロナウドの15点)更新を狙う。
守備陣も高さ、スピード、強さとすべてが高水準。主将のDFフィリップ・ラームが統率する最終ラインの連係も抜群で、ゴール前に壁を築き、最後方には世界屈指のGKマヌエル・ノイアーが対戦相手に立ちはだかる。
2002年日韓W杯は準優勝、06年ドイツW杯と10年南アフリカW杯が3位。今大会こそ、90年イタリアW杯以来、4度目の世界一に輝けるか。
ポルトガルは欧州予選プレーオフでスウェーデンを下し、4大会連続6度目の出場を決めた。最高成績は英雄エウゼビオを擁した66年イングランドW杯の3位。激戦区を突破し、初のファイナル、その先にある栄冠を目指す。
ポルトガルは良くも悪くもCロナウドのチームだ。Cロナウドは欧州予選プレーオフで2戦合計4ゴールの活躍で母国をW杯へ導いた。圧倒的なスピード、鋭いドリブル、距離を問わないシュート力、空中戦の強さ、セットプレー……アタッカーに必要な能力を全て備える世界最高のゴールハンターのひとりだ。代表では主将も務める。名実ともにチームを引っ張る選手だけに、Cロナウドに対するチームの依存度は高い。左足の負傷の影響が心配されるが、開幕までには間に合うだろう。だが本番では、Cロナウドが相手の厳しいマークにあうことが予想される。その時に、周囲の選手がサポートし、Cロナウドの負担を軽減できるかどうかが重要だ。初戦の相手は優勝候補のドイツ。相手の圧倒的な攻撃を粘り強くしのぎ、Cロナウドのいる前線にボールをつなぐ。シンプルな戦い方で、勝ち点3を狙いたい。
ガーナは初出場のドイツW杯でベスト16、南アW杯でベスト8と着実にステップアップを果たしている。そんなアフリカの新興勢力は、ブラジルで前回大会以上の高みにたどり着けるか。
ガーナはアフリカのチームらしい高い身体能力を生かしたプレーのみならず、しっかりとポゼッションしながら攻撃を組み立てる。MFマイケル・エッシェンやMFケヴィン・プリンス・ボアテングら、欧州でプレーする選手が多く、組織的に戦うことの重要性を理解しているのだ。持ち前の攻撃力が爆発すれば、ドイツ、ポルトガルといった強豪撃破も不可能ではない。チームには20代前半の若い選手も多く、ブラジルの地で新たな“ブラック・スター”が出現するかに注目だ。
米国は7大会連続10回目の出場を果たした。ドイツ代表を率いたヨルゲン・クリンスマン監督が就任したことで、速攻重視だった同国のサッカーはポゼッションスタイルへと変貌した。中心はMFジャーメイン・ジョーンズとMFマイケル・ブラッドリーのダブルボランチ。ジョーンズは中盤のダイナモとして、タイトなディフェンスでピンチの芽を摘み、ブラッドリーは司令塔として広い視野を生かして攻撃を組み立てる。前線と最終ラインをリンクさせるダブルボランチが機能しなければ、米国は苦しい戦いを強いられるだろう。初戦の相手・ガーナとは過去2大会で対戦しており、いずれも敗れている。まずは初戦でリベンジを果たして勢いを得たい。
◎ ドイツ
〇 ポルトガル
▲ ガーナ
▲ 米国
(鈴木友多)
ドイツは欧州予選を9勝1分けの圧倒的な強さで突破した。攻撃は欧州予選最多で36ゴールを挙げるなど、大会屈指の破壊力を誇る。主戦システムの4−2−3−1では、2列目にMFメスト・エジル、MFトーマス・ミュラーという得点力とチャンスメイク能力に長けた選手を揃え、ワントップには36歳のベテランFWミロスラフ・クローゼの起用が濃厚だ。クローゼは4大会目のW杯で、あと2点に迫っている大会通算ゴール数(最多は元ブラジル代表のロナウドの15点)更新を狙う。
守備陣も高さ、スピード、強さとすべてが高水準。主将のDFフィリップ・ラームが統率する最終ラインの連係も抜群で、ゴール前に壁を築き、最後方には世界屈指のGKマヌエル・ノイアーが対戦相手に立ちはだかる。
2002年日韓W杯は準優勝、06年ドイツW杯と10年南アフリカW杯が3位。今大会こそ、90年イタリアW杯以来、4度目の世界一に輝けるか。
ポルトガルは欧州予選プレーオフでスウェーデンを下し、4大会連続6度目の出場を決めた。最高成績は英雄エウゼビオを擁した66年イングランドW杯の3位。激戦区を突破し、初のファイナル、その先にある栄冠を目指す。
ポルトガルは良くも悪くもCロナウドのチームだ。Cロナウドは欧州予選プレーオフで2戦合計4ゴールの活躍で母国をW杯へ導いた。圧倒的なスピード、鋭いドリブル、距離を問わないシュート力、空中戦の強さ、セットプレー……アタッカーに必要な能力を全て備える世界最高のゴールハンターのひとりだ。代表では主将も務める。名実ともにチームを引っ張る選手だけに、Cロナウドに対するチームの依存度は高い。左足の負傷の影響が心配されるが、開幕までには間に合うだろう。だが本番では、Cロナウドが相手の厳しいマークにあうことが予想される。その時に、周囲の選手がサポートし、Cロナウドの負担を軽減できるかどうかが重要だ。初戦の相手は優勝候補のドイツ。相手の圧倒的な攻撃を粘り強くしのぎ、Cロナウドのいる前線にボールをつなぐ。シンプルな戦い方で、勝ち点3を狙いたい。
ガーナは初出場のドイツW杯でベスト16、南アW杯でベスト8と着実にステップアップを果たしている。そんなアフリカの新興勢力は、ブラジルで前回大会以上の高みにたどり着けるか。
ガーナはアフリカのチームらしい高い身体能力を生かしたプレーのみならず、しっかりとポゼッションしながら攻撃を組み立てる。MFマイケル・エッシェンやMFケヴィン・プリンス・ボアテングら、欧州でプレーする選手が多く、組織的に戦うことの重要性を理解しているのだ。持ち前の攻撃力が爆発すれば、ドイツ、ポルトガルといった強豪撃破も不可能ではない。チームには20代前半の若い選手も多く、ブラジルの地で新たな“ブラック・スター”が出現するかに注目だ。
米国は7大会連続10回目の出場を果たした。ドイツ代表を率いたヨルゲン・クリンスマン監督が就任したことで、速攻重視だった同国のサッカーはポゼッションスタイルへと変貌した。中心はMFジャーメイン・ジョーンズとMFマイケル・ブラッドリーのダブルボランチ。ジョーンズは中盤のダイナモとして、タイトなディフェンスでピンチの芽を摘み、ブラッドリーは司令塔として広い視野を生かして攻撃を組み立てる。前線と最終ラインをリンクさせるダブルボランチが機能しなければ、米国は苦しい戦いを強いられるだろう。初戦の相手・ガーナとは過去2大会で対戦しており、いずれも敗れている。まずは初戦でリベンジを果たして勢いを得たい。
◎ ドイツ
〇 ポルトガル
▲ ガーナ
▲ 米国
(鈴木友多)