今回のブラジル大会で、FIFAワールドカップは20回目を迎えた。南米では5回目の開催だが、優勝国はウルグアイが2回、ブラジルとアルゼンチンが1回ずつ。ヨーロッパ勢は1回も頂点に立っていない。

 舞台を新大陸に広げてみても、メキシコ大会(1986年)はアルゼンチン、アメリカ大会(94年)はブラジルと、やはり頂点に立ったのは南米勢だった。

 そこで「優勝は今回も南米勢」という見方が多いようだが、果たして結果はどうなるか。

 ちなみに英国のブックメーカーの優勝予想オッズでは次のようになっている。
1位 ブラジル 3.75倍
2位 アルゼンチン 5倍
3位 スペイン 6.5倍
4位 ドイツ 7.5倍
5位 フランス 21倍
(ウィリアムヒル)

1位 ブラジル 2.75倍
2位 アルゼンチン 4倍
3位 ドイツ 5倍
4位 スペイン 5.5倍
5位 ポルトガル、ベルギー 20倍
(ラドブロークス)

 前回の南アフリカ大会で初優勝を果たしたスペインは1つのジンクスを破った。
 いわく「ヨーロッパ大陸以外でヨーロッパ勢は優勝していない」――。

 そこで今回、私がひそかに注目しているのがアルゼンチンである。中心選手のリオネル・メッシは、これでドイツ、南アフリカと3大会連続出場となるが、過去の2大会では消化不良に終わっている。それだけに、今大会にかける思いは、並々ならぬものがあると聞く。

 アルゼンチンへのライバル意識の強いブラジルは「ブラジルでのアルゼンチンの優勝だけは望まない」との声もあるが、逆に言えば、メッシにとっては越え甲斐のあるハードルだろう。

 イタリア以来、2度目のヨーロッパ勢の連覇もないとは言えない。あるとすれば、やはりスペイン。前回は初戦でつまずきながら、その後は6つの白星を並べた。連覇となればブラジル以来、3カ国目となる。

 さて日本代表は、グループCに「ここだけは勝てそうにない」という強豪は見当たらず、決勝トーナメント進出の可能性はかなり高いと見ている。そこから先は“未知なる航海”だが、決勝トーナメント1回戦で、イタリア代表との対決を誰よりも望んでいるのは、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督かもしれない。