16日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループE第1節で、フランスがホンジュラスに3−0で勝利した。フランスは序盤からボールを支配し、ホンジュラスを押し込んだ。なかなかゴールは奪えなかったが、前半45分、FWカリム・ベンゼマが先制点。1点をリードして試合を折り返した。後半3分には、ベンゼマのシュートがオウンゴールを誘発。さらに27分、ベンゼマの2ゴール目が生まれ、ホンジュラスを突き放した。フランスは次戦、初戦を勝利したスイスと戦う。

 ベンゼマ、2ゴールで快勝貢献(ポルトアレグレ)
フランス 3−0 ホンジュラス
【得点】
[フ] カリム・ベンゼマ(45分、72分)、オウンゴール(48分)

“レ・ブルー”(フランス代表)が、前回大会の汚名返上に向けて好スタートだ。序盤から圧倒的にボールを支配し、最後までホンジュラスを押し込んだ。

 フランスは引いて守るホンジュラス守備陣を、多彩な攻撃でこじ開けようとした。14分、MFブレズ・マトゥイがセットプレーからのこぼれ球を左足でシュート。23分にはFWアントワーヌ・グリーズマンが左サイドからのクロスに頭で合わせた。いずれもクロスバーを直撃し、得点にはならなかったものの、ゴールが生まれるのは時間の問題だった。

 迎えた45分、フランスが待望の先制点を奪った。MFポール・ポグバがPA内で倒され、PKを獲得。このファールでホンジュラスのMFウィルソン・パラシオスが2枚目の警告で退場となった。PKのキッカーを務めたベンゼマは、豪快にゴール左へ蹴り込み、リードを奪って後半に突入した。

 数的優位になったフランスは、前半以上に攻勢を強めた。後半3分、ベンゼマが右サイドからのクロスを左足で合わせた。シュートは右ポストを直撃し、GKに当たってゴールラインを割った。必死に掻き出したGKノエル・バジャダレスはプレーを続けようとするも、主審がゴールの判定。今大会から導入されたゴールラインテクノロジーにより、ボールがゴールラインを割ったことが主審の時計に表示されたのだ。結果的に、これはバジャダレスのオウンゴールと記録された。

 2点目は自身のゴールにはならなかったものの、ベンゼマの勢いは止まらない。27分、セットプレーからDFマチュー・ドビュシが放ったシュート。DFに当たってPA内右こぼれたボールをベンゼマが拾い、角度のない位置から右足でニアサイドを撃ち抜いた。実質的にベンゼマのハットトリックといえるゴールで、フランスが勝利を確実にした。

 フランスは大会直前、中心選手のひとりであるフランク・リベリが腰痛で離脱した。だが、ホンジュラス戦ではリベリ不在の影響を感じさせない内容を披露した。次戦の相手はグループE最大のライバルと目されるスイス。自国開催だった98年大会以来、2度目の優勝へ。連勝を収めてグループリーグ突破に前進したい。

(鈴木友多)


【フランス出場メンバー】
GK
ウーゴ・ロリス
DF
マチュー・ドビュシ
パトリス・エブラ
ラファエル・バラン
ママドゥ・サコ
MF
ヨアン・キャバイエ
→リオ・アントニオ・マブバ(65分)
マシュー・バルブエナ
→オリビエ・ジルー(78分)
ブレズ・マトゥイディ
ポール・ポグバ
→ムサ・シッソコ(57分)
FW
カリム・ベンゼマ
アントワーヌ・グリーズマン

【ホンジュラス出場メンバー】
GK
ノエル・バジャダレス
DF
マイノール・フィゲロア
ビクトル・ベルナルデス
→マルビン・チャベス(46分)
エミリオ・イサギーレ
ブライアン・ベッケルス
MF
ウィルソン・パラシオス
ロヘル・エスピノサ
アンディ・ナハル
→ホルヘ・クラロス(58分)
ルイス・ガリード
FW
ジェリー・ベンクトソン
→オスカル・ガルシア(46分)
カルロ・コストリー