悔しさに溢れたレシフェの夜 〜スタッフ現地レポート〜

(写真:セキュリティーチェックを待つ人々)

スタジアムにつくと、キックオフ3時間前というのに、試合を待ちきれない人々でごった返していた。日本人サポーターはもちろん、コートジボワールのサポーター、そしてブラジル人もその多くを占めていたように映った。

(写真:手荷物を検査する機械)
さて、スタジアム内へ入ると、面白い光景が広がっていた。侍、関取、忍者……様々な扮装に身を包んだ日本人サポーターが、外国人から写真攻めにあっていたのだ。他に、富士山やアニメキャラクターの着ぐるみ姿の人、日の丸ハチマキを巻いて道着を着込む現地の人もいた。また、対戦カードとは関係ないが、メキシコの民族衣装を着用した人も目にした。コスチュームで国の文化を表現する、国際大会ならではの交流風景だった。
肝心の試合はというと、日本が前半16分にMF本田圭佑のゴールで先制。その後も比較的、優位に試合を進め、スタジアムの雰囲気も日本ペースだった。しかし、後半17分、ディディエ・ドログバの交代がアナウンスされると、スタジアムからは割れんばかりの大歓声が巻き起こった。この交代で流れがガラッと変わり、日本は立て続けに失点して逆転された。

(写真:空手の道着のような扮装をした2人組。右の男性は日の丸ハチマキも巻いていた)
「悔しすぎる負けですね」
試合の感想を聞いた日本人サポーターは苦笑しながらこう語った。他のサポーターも一様に肩を落とし、覇気なくバス乗り場へと向かっていた印象を受けた。コートジボワール戦の悔しさを拭い去るのは簡単ではないだろう。しかし、ザックジャパンがギリシャ戦で勝利を掴むためには、サポーターの応援が必要不可欠。次戦までにいかに立ち直り、ナタルのエスタディオ・ダス・ドゥーナスで、ニッポンコールを轟かせられるか。選手のみならず、日本サポーターの真価もまた、問われている。
(文/写真・鈴木友多)