17日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループG第1節で、ドイツがポルトガルに4−0で勝利した。ドイツは前半12分にFWトーマス・ミュラーのゴールで先制すると、32分にはDFマッツ・フンメルスの追加点が生まれた。37分にポルトガルのDFぺぺが退場。数的優位に立ったドイツは前半終了間際、ミュラーのこの試合2点目でほぼ試合を決めた。後半もドイツは相手を押し込み続け、33分にはミュラーのハットトリックとなるゴールでダメを押した。

 ミュラー、ハットトリックで快勝貢献(サルバドール)
ドイツ 4−0 ポルトガル
【得点】
[ド] トーマス・ミュラー(12分、45分+1、78分)、マッツ・フンメルス(32分)

 2010年南アフリカW杯得点王のミュラーが、2大会連続得点王へいきなり爆発した。

 ドイツペースで進んでいた12分、ミュラーはPA内へスルーパスを送ると、反応したMFマリオ・ゲッツェが倒されてPKを得た。キッカーはミュラー。落ち着いてゴール左へと流し込み、ドイツに先制点をもたらした。

 先制後もドイツが主導権を握り続け、32分、追加点が生まれた。MFトニ・クロースの右CKを、フンメルスが頭で叩き込んだ。
 着実にリードを広げたドイツが、さらに優位な立場に立ったのは37分だ。ミュラーが競り合ったぺぺの手が顔に当たって倒れ込んだ。そして、顔を押さえて座り込んでいたミュラーが、言葉を発しながら近づいてきたぺぺに頭突きをくらわされた。倒れ方が大げさだということだろう。一部始終を見ていた主審は迷いなくレッドカードを提示。ドイツはひとり多い状況で残り時間を戦うことになった。

 すると前半アディショナルタイム、ミュラーがこの試合2得点目を奪った。クロースがPAに入れた浮き球のこぼれ球を拾い、左足でゴールに流し込んだ。ドイツは3点差、数的優位というほぼ勝利を手中に収めて試合を折り返した。

 後半もドイツペースは揺るがない。後半6分、ゲッツェのスルーパスに抜け出したMFメスト・エジルがシュートは放つ。GKに防がれてこぼれたボールを、ミュラーが頭で合わせたものの、わずかに枠を外れた。

 ハットトリックのチャンスを逃したかに思われたミュラーだが、33分、再び達成の機会が巡ってきた。FWアンドレ・シュールレがPA内右サイドを仕掛け、ゴール前に低いクロス。GKが弾いたところにいたミュラーが、冷静にゴールへ押し込み、ハットトリックを達成した。

 ミュラーは37分にお役御免。ピッチを後にするストライカーには、観客席から大きな拍手がおくられた。爆撃機の異名をとった元西ドイツ代表FWゲルト・ミュラーは、自国開催の74年W杯でチームを優勝に導いた。同姓であり、彼の後継者と呼ばれるトーマス・ミュラーが、新たな“爆撃機”としてチームを高みに導く。

(鈴木友多)


【ドイツ出場メンバー】
GK
マヌエル・ノイアー
DF
ベネディクト・ヘーベデス
DF
マッツ・フンメルス
→シュコドラン・ムスタフィ(73分)
フィリップ・ラーム
ペア・メルテザッカー
イェロメ・ボアテング
MF
サミ・ケディラ
メスト・エジル
アンドレ・シュールレ(63分)
トーマス・ミュラー
→ルーカス・ポドルスキ(82分)
トニ・クロース
マリオ・ゲッツェ

【ポルトガル出場メンバー】
GK
ルイ・パトリシオ
DF
ブルーノ・アルベス
ペペ
ファビオ・コエントロン
→アンドレ・アルメイダ(65分)
ジョアン・ペレイラ
MF
ミゲル・ベローゾ
→リカルド・コスタ(46分)
ジョアン・モウティーニョ
ラウル・メイレレス
FW
クリスティアーノ・ロナウド
ウーゴ・アルメイダ
→エデル(28分)
ナニ