20日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループC第2節で、コロンビア代表がコートジボワール代表を2−1で下した。試合は両国譲らず、前半をスコアレスで終えた。後半19分にセットプレーからMFハメス・ロドリゲスが決めて、コロンビアが先制。さらにカウンターからMFフアン・キンテーロにもゴールが生まれ、リードを広げる。コロンビアは、1点を返されたものの、守備陣の奮闘もあり逃げ切った。これでコロンビアはグループリーグ連勝で、勝ち点6でトップに立った。1990年イタリア大会以来の決勝トーナメント進出に向け、大きく前進した。一方、敗れたコートジボワールは1勝1敗で勝ち点3のまま。3度目の出場にして、初のベスト16入りへは足踏みとなった。

 ロドリゲス、2試合連続ゴール(ブラジリア)
コロンビア 2−1 コートジボワール
【得点】
[コロ] ハメス・ロドリゲス(64分)、フアン・キンテーロ(70分)
[コト] ジェルビーニョ(73分)


 背番号10は、この日も躍動した。コロンビアの若き司令塔・ロドリゲスが、2試合連続のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍でチームに勝利をもたらした。

 初戦を勝利した国同士の対決。ここで勝ち点3を積み上げれば、決勝トーナメント進出に大きく前進できる。コートジボワールは、日本戦と同じ4−3−3のフォーメーションを敷いた。前線に人数を割き、ボールを支配しながら攻撃を組み立てた。一方のコロンビアは、4−5−1の布陣でカウンター狙い。対照的な図式で、試合は展開した。

 最初にチャンスを迎えたのはコロンビア。センターサークル後方からロドリゲスが、相手守備ラインの裏を就くロングパスを放る。MFフアン・クアドラードが落としたボールを、ワントップのテオフィロ・グティエレス
が左足で狙ったが、シュートは右に外れた。続く28分には、グアドラードのスルーパスに左サイドを抜け出したロドリゲスがピンポイントのクロスを送る。ゴール前でフリーの大チャンス。しかし、グティエレスのシュートはミートせず、ゴール左に外れてしまった。いずれも少ない手数で、チャンスメイクをするコロンビアの型だった。やはりその中心には、司令塔のロドリゲスがいた。

 前半は互いに得点を奪えぬまま、終了。後半に入っても、ボールを持つコートジボワール、カウンターのコロンビアという図式は変わらなかった。

 8分、コロンビアのホセ・ペケルマン監督は、キンテーロをピッチに投入した。小柄だが突破力のあるアタッカーを入れ、攻撃陣の活性化を狙った。14分にはキンテーロの縦パスから、クアドラードが抜け出す。ペナルティエリア右のほとんど角度のないところから強引にシュートを放った。GKブバカル・バリーの両手を弾き、ゴールへ向かっていくかと思われたが、ポストを叩いた。

 対するコートジボワールも15分、ベンチが動く。切り札であるFWディディエ・ドログバを送り込んだ。日本戦では、彼の登場により一気に流れが変わった。それだけの存在感を持ち、強さと巧さを併せ持ったストライカーは相手にとって脅威なことこの上ない。

 しかし、この日の主役はコロンビアの背番号10だった。ロドリゲスのロングパスをきっかけに左CKを得ると、キッカーのクアドラードがニアサイドへ速いボールを放り込んだ。そこに合わせたのはロドリゲス。マークのドログバを振り切り、ヘディングシュートをゴールに突き刺した。

 25分にはロドリゲスの素早いプレッシングから、高い位置でボールを奪うと、そこからカウンター。グティエレスがスルーパスを出す。裏へと抜け出したキンテーロはGKと1対1。あとは冷静にゴールへ流し込むだけだった。

 ロドリゲスの活躍により、2点をリードしたコロンビア。29分には、コートジボワールのFWジェルビーニョに個人技から1点を奪われたが、アディショナルタイムを合わせた残りの20分間を守備の要のマリオ・ジェペスを中心に身を挺して守り抜いた。

 鮮やかなカウンター攻撃の中心には必ずロドリゲスがいた。ここまで2試合5ゴールの全てに絡んでいる。長短織り交ぜたバリエーション豊富なパスはもちろんのこと、ボールを受ける動きにも長けており、決定力も備わっている、グループリーグ最終戦で戦う日本にとっては、最も警戒すべきプレーヤーだろう。彼を抑えることができれば、コロンビアの攻撃の芽をつめる。潰し役の山口蛍が、この男を止められるかに懸かっている。

【コロンビア】
GK
ダビド・オスピナ
DF
クリスティアン・サパタ
マリオ・ジェペス
フアン・スニガ
パブロ・アルメロ
→サンティアゴ・アリアス(72分)
MF
カルロス・サンチェス
アベル・アギラール
→アレクサンデル・メヒア(79分)
フアン・クアドラード
ビクトル・イバルボ
→フアン・キンテーロ(53分)
ハメス・ロドリゲス
FW
テオフィロ・グティエレス

【コートジボワール】
GK
ブバカル・バリー
DF
ソル・バンバ
ディディエ・ゾコラ
セルジュ・オーリエ
アルトゥール・ボカ
MF
シェイク・ティオテ
セレイ・ディエ
→マティス・ボリー(73分)
ヤヤ・トゥーレ
FW
マックス・グラデル
→サロモン・カルー(67分)
ジェルビーニョ
ウィルフリード・ボニー
→ディディエ・ドログバ(60分)

(文/杉浦泰介)