22日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループG第2節で、ドイツとガーナが2−2で引き分けた。前半は互いにチャンスをつくったものの、得点は生まれず、スコアレスで試合を折り返した。迎えた後半6分、ドイツがMFマリオ・ゲッツェのゴールで先制。しかし、9分にガーナがFWアンドレ・アイェウの得点ですかさず追いつく。すると18分にガーナがFWアサモア・ギャンのゴールで逆転したものの、26分にドイツのFWミロスラフ・クローゼが決めて再びタイスコアとなった。その後も激しい攻防が続いたが、結局、両者が勝ち点1を分け合った。

 クローゼ、W杯通算ゴール最多タイ(フォルタレーザ)
ドイツ 2−2 ガーナ
【得点】
[ド] マリオ・ゲッツェ(51分)、ミロスラフ・クローゼ(71分)
[ガ] アンドレ・アイェウ(54分)、アサモア・ギャン(63分)

 両チーム合わせて31本のシュートが飛び交った銃撃戦も、決着は着かなかった。

 前半から両者は互いにチャンスをつくりだした。32分、ガーナはMFサリー・ムンタリがセットプレーのこぼれ球を拾い、PA手前からミドルシュート。強烈なシュートがゴールマウスを捉えたが、これはGKマヌエル・ノイアーにセーブされた。
 ドイツは37分、うまく裏へ抜け出したゲッツェが、PA手前、ゴール右45度の位置から右足でミドルシュートを放った。だが、これはGKファタウ・ダウダの正面を突いた。両チームのGKが安定したセービングを見せたこともあり、スコアレスで試合を折り返した。

 後半は一転して、テンションの高い展開となった。

 6分、まずはドイツがこの試合最初のゴールを奪った。FWトーマス・ミュラーが右サイドから上げたクロスに飛び込んだのはゲッツェ。PA手前から加速してマークを振り切り、頭で押し込んだ。

 ガーナも負けてはいない。9分、アンドレ・アイェウが同点弾を決めた。右サイドからのアーリークロスを、ゴール前で競り勝ち、ヘディングでゴール左へ流し込んだ。初戦を落として、負けられない“ブラックスターズ”は、このゴールで勢いに乗った。
 18分、ムンタリがピッチ中央でインターセプトし、ドリブルで運んで右前方へスルーパス。受けたギャンがそのままPA内に進入し、ゴール右45度から右足を振り抜いた。シュートはノイアーが懸命に伸ばした手の包囲網を逃れ、ゴール左サイドネットに突き刺さった。

 リードを許したドイツは、ヨアヒム・レーヴ監督が動く。24分にゲッツェを下げてクローゼ、MFサミ・ケディラに代えてMFバスティアン・シュバインシュタイガーをピッチに送り出した。この交代策がすぐに功を奏した。

 26分、ドイツは左CKからゴール前でDFベネディクト・ヘーベテスが打点の高いヘディング。ゴール右下に飛んだボールを、クローゼが滑り込みながら右足で押し込んだ。大会直前に36歳となったベテランFWが、起用した指揮官の期待に応えた。またクローゼは、ブラジルのロナウドのW杯最多ゴール記録(15点)に並び、更新まであと1点に迫った。

 その後は勝負を決めるであろう3点目を狙い、さらに攻防が激しくなったが、互いにGKと守備陣が好守を見せて、ゴールが生まれることはなかった。ドイツは勝ち点を4に伸ばしてベスト16へ前進。ガーナも今大会初の勝ち点を獲得したものの、グループリーグ突破へ厳しい状況は変わらず。引き分けでも明暗が分かれたかたちとなったが、両者の見せた一進一退の攻防は観客を熱狂させたに違いない。

(鈴木友多)

【ドイツ代表】
GK
マヌエル・ノイアー
DF
ベネディクト・ヘーベデス
マッツ・フンメルス
フィリップ・ラーム
ペア・メルテザッカー
ジェローム・ボアテング
→シュコドラン・ムスタフィ(46分)
MF
サミ・ケディラ
→バスティアン・シュバインシュタイガー(70分)
メスト・エジル
トニ・クロース
マリオ・ゲッツェ
→ミロスラフ・クローゼ(69分)
FW
トーマス・ミュラー

【ガーナ】
GK
ファタウ・ダウダ
DF
ジョナサン・メンサー
ジョン・ボイェ
ハリソン・アッフル
MF
クリスティアン・アツ
→ワカソ・ムバラク(72分)
アンドレ・アイェウ
サリー・ムンタリ
モハメド・ラビウ
→エマニュエル・アギェマン・バドゥ(78分)
クワドゥオ・アサモア
FW
アサモア・ギャン
ケビン・プリンス・ボアテング
→ジョルダン・アイェウ(52分)