26日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループE最終節で、フランス代表(FIFAランキング17位)とエクアドル代表(同26位)は0−0のスコアレスドローに終わった。フランスは勝ち点7(2勝1分)となり、グループ1位で決勝トーナメントに進出。エクアドルは勝ち点4(1勝1敗1分)にとどまり、今大会の南米勢では初めてグループリーグ敗退が決まった。

 エクアドル、退場での数的不利響く(リオデジャネイロ)
エクアドル 0−0 フランス

 全チームにグループリーグ突破の可能性があった最終節、その中で最も決勝トーナメントに近かったのは2連勝で勝ち点6のフランスだった。引き分け以上なら無条件で進出決定とあって、この日はスタメンを前節から6人も入れ替え、余裕のみえる選手起用となった。

 対する勝ち点3のエクアドルは目の前の試合のみならず、もう1カードのホンジュラス−スイスの結果にも行方が左右される。得失点差では勝ち点で並ぶスイスを上回っており、勝ち点3を上積みすれば優位に立てる。

 いつも以上に先取点がポイントとなるだけに、互いに攻撃を仕掛けつつ、守りとのバランスを考えながら、慎重に試合を進める。フランスは11分にペナルティエリアの外でこぼれ球をとらえ、FWアントワーヌ・グリーズマンがミドルシュート。14分には浮き球のパスからMFポール・ポグバがボレーを放つが、いずれもゴールには至らない。

 エクアドルは持ち味の縦への突破から活路を見出そうとする。33分には左サイドから侵入したMFミチャエル・アロージョが、そのまま持ち込んでシュート。41分にはペナルティエリア左脇からのFKに、FWエネル・バレンシアが高くジャンプして頭を合わせる。GKはボールをキャッチしきれず、詰めればチャンスだったが、先にフランスのDFにクリアされた。前半は互いに大きな決定機がないまま、試合を折り返す。

 この時点で、もう1カードはスイスが2点をリードし、エクアドルにも勝利が求められる状況になった。しかし、後半8分、キャプテンのMFアントニオ・バレンシアが足の裏を相手にみせる危険なタックルをしたと判断され、レッドカード。点を獲って勝たなくてはならない展開で数的不利を余儀なくされる。

 こうなるとエクアドルはカウンター攻撃にかけるしかない。9分にはエネル・バレンシアからDFクリスティアン・ノボアとつないでシュートをみせるも、枠をとらえきれなかった。

 引き分けでも十分なフランスは無理をせず、ボールをキープしながら攻めていく。人数がひとり少ないエクアドルは守備にエネルギーを吸い取られ、敵陣になかなかボールを運べない。

 それでも35分にはアロージョが自陣からのロングボールを受け、ペナルティエリアの左サイドへ持ち込む。だが、シュートがしっかりミートせず、ゴール左へ逸れた。その直後には途中出場のMFアレックス・イバーラが右から中へ切り込んでゴールを狙うも、GKにパンチングで防がれた。

 フランスも数的優位を生かして幾度となくゴール前を脅かしたものの、この日は前節のスイス戦で5ゴールを奪った爆発力はなかった。ただ、控えメンバーを使いながら、勝ち点1は確保しての1位通過。決勝トーナメント1回戦では7月1日にF組2位のナイジェリアと激突する。

(石田洋之)

【エクアドル】
GK
アレクサンデル・ドミンゲス
DF
ホルヘ・グアグア
フリックソン・エラソ
ファン・パレデス
クリスティアン・ノボア
→フェリペ・カイセド(89分)
MF
ジェフェルソン・モンテーロ
→アレックス・イバーラ(63分)
ワルテル・アジョビ
オスワルド・ミンダ
ミチャエル・アロージョ
→ガブリエル・アチリエール(81分)
アントニオ・バレンシア
FW
エネル・バレンシア

【フランス】
GK
ウーゴ・ロリス
DF
ママドゥ・サコ
→ラファエル・バラーヌ(61分)
バカリ・サニャ
リュカ・ディーニュ
ロラン・コシエルニー
MF
ブレズ・マトゥイディ
→オリビエ ジルー(67分)
ムサ・シッソコ
ポール・ポグバ
モルガン・シュネイデルラン
FW
カリム・ベンゼマ
アントワーヌ・グリーズマン
→ロイク・レミー(79分)