5日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会の準々決勝で、ドイツがフランスを1−0で下し、4大会連続のベスト4進出を決めた。ドイツは前半13分、DFマッツ・フンメルスのゴールで先制に成功した。先制後は追加点を狙ったものの、決定機を生かせず。守りでは、訪れたピンチをGKマヌエル・ノイアーを中心にしのぎ切った。ドイツは準決勝でブラジル―コロンビアの勝者と戦う。

 フンメルス、値千金の決勝ヘディング弾(リオデジャネイロ)
ドイツ 1−0 フランス
【得点】
[ド] マッツ・フンメルス(13分)

 守護神が虎の子の1点を守り抜いた。ドイツは先制後は思うような試合運びができなかった。しかし、ノイアーがゴール前で文字通り砦となり、フランス攻撃陣を完封。史上初の4大会連続のベスト4に大きく貢献した。

 ドイツは序盤から主導権を握り、フランスを押し込んだ。そんな前半13分に試合が動いた。MFトニ・クロースが左サイドで得たFKをゴール前に入れ、フンメルスがヘディングシュート。ボールは見事にゴールネットを揺らし、ドイツが幸先よく先制した。

 追加点を狙い、さらに攻勢を強めた。しかし、なかなかかたちをつくれない。すると、逆にフランスにチャンスをつくられ、守勢に回るようになった。
 34分、右サイドからの折り返しをMFマシュー・バルブエナに左足で狙われた。シュートはゴール右へ飛んだが、これをノイアーが左手1本で弾く。こぼれ球をベンゼマに詰められが、DFがブロックした。

 ドイツが1点をリードして折り返したが、後半も緊迫した展開は続く。攻勢を強めたフランスに押し込まれ、幾度もピンチを迎えた。ここで輝きを放ったのがノイアーだ。驚異的な反応で相手のシュートをことごとく防いだ。32分、右サイドからのクロスを受けたマテュイディに、PA内左の角度がない位置から左足でシュートを打たれたが、ノイアーがパンチングでクリアした。

 守護神の活躍に応えたい攻撃陣も、37分に決定機を迎えた。左サイドを突破したMFメスト・エジルが中央に折り返す。ゴール前でFWトーマス・ミュラーが打てず、後方に流れたボールをシュールレが左足で押し込んだ。しかし、コースが甘く、GKに足で防がれてリードを広げることはできなかった。

 迎えたアディショナルタイムには、FWカリム・ベンゼマにワンツーからPA内左へ侵入され、左足を振り抜かれた。ニアサイドを撃ち抜かれたと思われたが、これをノイアーが右手で防ぐビッグセーブ。守護神の集中力は90分間切れることはなかった。

(鈴木友多)

【ドイツ】
GK
マヌエル・ノイアー
DF
ベネディクト・ヘーベデス
マッツ・フンメルス
フィリップ・ラーム
イェロメ・ボアテング
MF
サミ・ケディラ
バスティアン・シュバインシュタイガー
メスト・エジル
→マリオ・ゲッツェ(83分)
トーマス・ミュラー
トニ・クロース
→クリストフ・クラマー(90分+2)
FW
ミロスラフ・クローゼ
→アンドレ・シュールレ(69分)

【フランス】
GK
ウーゴ・ロリス
DF
マチュー・ドビュシ
パトリス・エブラ
ラファエル・バラン
ママドゥ・サコ
→ローラン・コシールニー(72分)
MF
ヨアン・キャバイエ
→ロイク・レミー(73分)
マシュー・バルブエナ
→オリビエ・ジルー(85分)
ブレズ・マトゥイディ
ポール・ポグバ
FW
カリム・ベンゼマ
アントワーヌ・グリエスマン