(写真:T.LEAGUE初年度を終えたKM東京とKA神奈川の面々)

 18日、卓球のT.LEAGUE男子初代王者の木下マイスター東京(KM東京)と、同女子準優勝の木下アビエル神奈川(KA神奈川)を持つ木下グループが都内ホテルで感謝の会を開催した。両チームの水谷隼、張本智和、石川佳純らが登壇し、スポンサーや関係者などに感謝の挨拶を行った。

 

 ファイナルから一夜明け、共にファイナルを戦ったKM東京とKA神奈川がユニホーム姿で壇上に上がった。岡山リベッツを3対1で下し、頂点に立ったKM東京。日本生命レッドウルフに2対3で敗れたKA神奈川。T.LEAGUE初年度に主役級の活躍を見せた。

 

 T.LEAGUEの参入条件は世界ランキング10位以内(過去2年以内)の選手を擁すること。KM東京は水谷、張本、松平健太と3人も揃えた。他にも世界選手権団体、個人(男子ダブルス)で銀メダルを獲得した経験を持つ大島祐哉も加わり、T.LEAGUE松下浩二チェアマンが「ナショナルチームがそのままチームになった」と言わしめるほどの陣容だ。スター軍団は観客動員に大きく貢献したという。

 

(写真:スポンサー、関係者に今シーズンの感謝を述べる水谷)

 男子の初代MVPに輝いた水谷は振り返る。

「開幕した当初からナショナルチームの選手が揃っており、誰からも『絶対優勝する』と言われてきていて、半年間プレッシャーもあった。ここまでの道のりは決して楽ではなかった。苦しい試合もたくさんあった」

 それでも重圧をはねのけて頂点に立った。レギュラーシーズンは14勝7敗で1位通過。プレーオフファイナルは1stマッチのダブルスで落としたものの、シングルス3連勝で優勝した。

 

 水谷と並ぶ二枚看板の張本は、シングルス7部門中6部門でトップに立つ活躍でチームのリーグ制覇に貢献した。進境著しい15歳は「ほぼ毎週強い選手と試合をできて自分の成長に繋がった」とT.LEAGUE誕生に感謝した。

 

 初代王者KM東京が目指す道は当然連覇だ。今季以上に周囲の期待がプレッシャーとなって圧し掛かってくる可能性がある。「来季は2連覇達成できるよう頑張りますので、力強いご声援よろしくお願いします」と水谷。全日本選手権で史上最多10度の優勝を誇る日本の第一人者は、黄金色に輝くメダルを胸にかけて力強く語った。

 

(写真:ハードな日程にも「応援してくださる方から元気をもらった」と石川)

 一方、女子の石川は「悔しい」という言葉を度々口にした。日本生命とのファイナルで、3rdマッチのシングルスは勝利したものの、1stマッチのダブルスでは木原美悠と組んで落とした。「自分がチームに貢献できなかった」。チーム最年長、26歳のエースは自分を責めた。

 

 それでもシーズンを振り返れば、石川は女子最多21マッチに出場し、同シングルス最多の16勝を挙げた。メンバー8人中3人が10代の若いチームを牽引。ワールドツアー、日本リーグ、T.LEAGUEとタフなスケジュールをこなした。

 

 チームは18勝3敗で、2位の日本生命に勝ち点差17をつける断トツの1位だった。石川は「すごくみんなでまとまった戦いができて、T.LEAGUEは楽しかった」と感想を述べた。

 

 そして石川は王座奪取を誓う。

「来季もレギュラーシーズン1位。そしてファイナルを同じメンバーで今度は必ず優勝したいと思います」

 

(写真:木下グループ所属のスケートボーダー西村姉妹<左から妹の碧莉、姉の詞音>も会場に駆け付けた)

 木下テーブルテニスクラブの川村卓也社長は「“卓球を広めよう”ということで、いろいろな地域で開催してきました。今後はより地域密着をしていきたい」と意欲を見せる。T.LEAGUEの理念のひとつ、「地域密着」にフォーカスを絞っていくつもりだ。来季は8月開幕予定T.LEAGUE。2年目の主役の座も木下グループは狙っている。

 

(文・写真/杉浦泰介)