巨人が開幕から飛ばしている。4月3日現在、4勝1敗。始まったばかりだがセ・リーグの首位だ。

 

「敵地に乗り込んでの広島との3連戦。2勝1敗と勝ち越したのが大きかった。原辰徳監督は“これで苦手意識が払拭できた”と語っていた。“選手が自信を持ってくれたのが一番の収穫かな”とも」(担当記者)

 

 オフには総額50億円を超える大型補強を行った。優勝して当たり前の戦力と言えばそれまでだが、今季も優勝を逃せば巨人軍史上ワーストの5年連続となる。これについて原監督は多くを語らないが、尋常ではないプレッシャーを感じているはずだ。

 

 それを踏まえれば、開幕カードに勝ち越して、一番自信を持ったのは原監督自身だったのではないか。

 

 余裕をかますわけではないが、巨人の開幕ダッシュ成功により、今季のペナントレースは面白くなりそうだ。というのも、2016年からの3連覇、ゲーム差を見てもわかるように、独走に近い状態で決着がついたからだ。

 

 2016年=17.5ゲーム差(2位巨人)、17年=10ゲーム差(2位阪神)、18年=7ゲーム差(2位東京ヤクルト)。カープが強過ぎたのか、他がだらしなかったのか。答えは、その両方だろう。

 

 4年連続V逸ということもあり、近年「アンチ巨人」という言葉すら死語になりつつある。昭和の野球ファンにすれば、それはそれで少々、寂しい。ワクワク、ドキドキ、ハラハラの末のリーグ4連覇、そして35年ぶりの日本一。そんなシナリオを期待する平成最後の春である。

 

(このコーナーは二宮清純が第1週木曜、書籍編集者・上田哲之さんが第2週木曜、フリーライター西本恵さんが第3週木曜を担当します)


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