8日、世界選手権(7月、韓国・光州)の選考会を兼ねた第95回日本選手権水泳競技大会競泳競技最終日が東京・辰巳国際水泳場で行われた。男子400m個人メドレーは瀬戸大也(ANA)が4分9秒98で2年ぶり2度目の優勝を果たした。瀬戸は200mバタフライ、200m個人メドレーに続き3冠を達成。いずれも派遣標準記録を突破し、3種目で世界選手権代表に内定した。女子400m個人メドレーは大橋悠依(イトマン東進)が4分33秒02で3連覇。200m個人メドレーと合わせて今大会メドレー2種目を制した。大橋も派遣標準記録を突破し、個人メドレー2種目での世界選手権出場をほぼ決定付けた。

 

 リオデジャネイロオリンピックで男子400m個人メドレー金を含む3個のメダルを獲得した萩野公介(ブリヂストン)と、昨年のアジア競技大会(インドネシア・ジャカルタ)6冠の池江璃花子(日本大学)が不在となった今年の日本選手権は、ニューヒーロー、ニューヒロインの誕生が期待されたが、どちらかと言えば実力者の活躍が目立った大会となった。

 

 瀬戸が3冠、大橋が2冠、入江陵介(イトマン東進)が200m背泳ぎで12度目の優勝を果たすなど、背泳ぎ3冠を達成した。小関也朱篤(ミキハウス)は男子100m平泳ぎ6連覇、中村克(イトマン東進)は男子100m自由形5連覇などスペシャリストがそれぞれの得意種目で結果を残した。

 

 また派遣標準記録を突破し、世界選手権代表の座を射止めたのは瀬戸、大橋らを含め10人。日本記録更新は50m自由形、50mバタフライの2種目のみだった。今大会が最終選考ではないとはいえ、少し寂しい数字となった。

 

(文/杉浦泰介)