8月22日(金)

◇準々決勝
 2年生エース平沼、4安打10奪三振2失点で完投
八戸学院光星(青森)   2 = 000000200
敦賀気比(福井)      7 = 30013000×
【本塁打】(敦)峯
 1回表、敦賀気比の2年生エース平沼翔太が制球力が安定せず、ピンチを招く。先頭打者を四球で出すと、さらに暴投で二塁へ進めてしまう。次打者も四球となり、無死一、二塁となった。しかし、中軸をファウルフライ、空振り三振に切ってとり、先取点を許さなかった。ここまで3試合連続2ケタ安打・得点で、51安打42得点と打線が好調の敦賀気比に対し、八戸学院光星は呉屋開斗、馬場龍星の2年生バッテリーで挑んだ。呉屋は簡単に2死を取るも、警戒しすぎたのか、3、4番を四球で出す。すると、5番・峯健太郎(3年)が打った瞬間にそれとわかる一発を放ち、敦賀気比が初回から試合の主導権を握る。
 3回裏、1死から峯が初球の直球をレフト前へ。すると、この打球を左翼手が後逸してしまう。峯は一気に二塁へ。6番・御簗翔(3年)もヒットで続き、1死一、三塁とした。しかし7番・平沼の打球はセカンド正面へ。一塁ランナー御簗も帰塁することができず、併殺に終わる。ピンチを切り抜けた八戸学院光星は、流れを変えるためにはここで1点でも返しておきたい。4回表、1死から4番・深江大晟(3年)が二塁打を放つと、さらに平沼がボークをとられて三進する。しかし、あと1本が出ない。5番・新井勝徳(3年)は空振り三振、6番・中崎寿希也(2年)はファーストへのフライに打ち取られる。逆にその裏、敦賀気比は1点を追加し、八戸学院光星を引き離した。
 5回裏、敦賀気比が2本のタイムリーで2点を追加し、なおも2死三塁としたところで、八戸学院光星は3番手・エース中川優(2年)にスイッチした。その中川からもタイムリーを放った敦賀気比はこの回3点を挙げる。打線から大きな援護をもらった平沼は、6回まで1安打に抑える見事なピッチングで八戸学院光星打線を封じた。
 しかし7回表、八戸学院光星は先頭の深江が四球で出塁すると、1死後、6番・高久壮志(3年)がチーム2本目となるヒットでつなぎ、一、三塁とした。2死後、8番・馬場が初球のスライダーをジャストミート。走者一掃の2点タイムリーとなり、八戸学院光星のスコアボードに得点が刻み込まれた。ここまで2試合ともに終盤に追い上げて逆転勝ちをしてきた八戸学院光星。この試合もその再現となるかと思われたが、8回表はランナーをスコアリングポジションに進めたものの、返すことができなかった。そして迎えた9回表は3者凡退に終わり、準々決勝敗退となった。一方、序盤から確実に得点を重ねた敦賀気比は、これで4試合連続2ケタ安打となる11安打を放ち、7得点。投げては平沼が4安打10奪三振2失点で完投。快勝で19年ぶりのベスト4進出を決めた。


 2HR含む16安打の猛攻で初の4強
三重      9 = 100250001
沖縄尚学   3 = 000200010
【本塁打】(三)西岡、内田
      (沖)安里

 どちらも勝てば、夏は初のベスト4の三重と沖縄尚学との試合は、予想通りの打撃戦となった。先制したのは三重。1回表、ここまで2試合連続で2ケタ奪三振と好投してきた沖縄尚学のエース山城大智(3年)から、1番・長野勇斗(3年)がヒットを放つと、次打者の犠打で二塁へ。さらに3番・宇都宮東真(3年)は死球を受け、1死一、二塁とした。ここで4番・西岡武蔵(3年)がタイムリーを放ち、三重が先取点挙げた。4回表、三重は2死ながら一、三塁と追加点のチャンスをつかむと、長野が走者一掃となるライトオーバーのタイムリー二塁打。2点を追加した三重は、リードを3点に広げた。しかしその裏、沖縄尚学は4番・安里健(3年)の一発で1点を返す。さらに5、6番に連打が出て1死一、三塁とすると、7番・砂川修(3年)の犠飛で2点目を挙げ、1点差に迫った。
 ところがその直後の5回表、三重打線が山城に集中打を浴びせる。先頭の宇都宮がヒットで出塁するも、盗塁失敗で1死。この嫌な流れを払しょくしたのが主砲だった。西岡が高めに甘く入った直球をフルスイング。打球はレフトスタンドに吸い込まれ、三重が1点を追加した。さらに2本のヒットと相手エラーで1死満塁と絶好のチャンスを迎える。2死後、9番・今井重太朗(3年)が自らのピッチングを援護する走者一掃となるタイムリー二塁打を放つ。続く長野にもタイムリーが出て、三重はこの回一挙5点を奪い、試合の主導権を握った。
 6回以降は山城からリリーフした2番手・久保柊人(3年)に対して、ランナーを出しながらも得点を奪えずにいた三重だったが、9回表、6番・内田蓮(3年)がダメ押しとなる一発を放ち、9点目を挙げた。投げてはエース今井が、11安打を打たれながらも粘りある投球で3失点に抑えた。16安打の猛攻を見せた三重が、夏は初めてとなるベスト4進出一番乗りを決めた。


 主将・中村、勝ち越し2ラン
大阪桐蔭       5 = 002000210
健大高崎(群馬)   2 = 100100000
【本塁打】(大)中村

 先制したのは健大高崎。1回裏、1番・平山敦規(3年)が四球で出塁すると、早速盗塁を決める。次打者が犠打を決めて、1死三塁とすると、3番・脇本直人(3年)がきっちりと犠飛でランナーを返し、健大高崎が1点を先制した。
 一方、大阪桐蔭は3回表、ヒットと四球で2死一、二塁とすると、4番・正随優弥(3年)が走者一掃となるタイムリー三塁打を放ち、逆転に成功した。しかし4回裏、健大高崎は足を絡めた攻撃で反撃する。先頭の脇本が二塁打を放つと、次打者の犠打で三塁へ。5番・柘植世那(2年)の同点タイムリーで試合を振り出しに戻した。
 5回表、健大高崎は早くもピッチャーを左の川井智也(2年)から右の松野光次郎(3年)にスイッチした。この早めの継投が果たしてどう出るのか――。松野は先頭の1番・中村誠(3年)を四球で出してしまう。中村は次打者の内野ゴロの間に二塁へ、さらに暴投で三塁へ進む。打席には今大会打率4割6分7厘と当たっている3番・香月一也(3年)。しかし、ここは松野が踏ん張る。香月をレフトフライに打ち取ると、正随を遊ゴロに仕留め、ピンチを切り抜けた。
 5、6回と松野に無安打に抑えられていた大阪桐蔭打線だったが、7回表、1死から福島がヒットで出塁した。続く中村が真ん中に甘く入ったスライダーを見逃さず、フルスイングすると、打球はレフトスタンドへ。主将の一発で大阪桐蔭が2点をリードした。これに動揺したのか、松野は3つの四死球で2死満塁とピンチを招く。しかし、6番・横井佑弥(3年)をファウルフライに打ち取り、なんとかこらえた。
 その裏、2死から平山が四球で出塁すると、個人の大会最多タイ記録となる8つ目の盗塁を決める。続く2番・星野雄亮(3年)が真ん中低めの直球をジャストミート。だが、抜ければタイムリーとなるこの当たりを、一塁手・正随がダイビングキャッチし、健大高崎の反撃を阻止した。8回表には中村のタイムリーで1点を追加した大阪桐蔭。そのまま3点リードで迎えた9回裏、エースの福島はきっちりと3者凡退に切ってとり、ゲームセット。試合巧者ぶりを発揮した大阪桐蔭が、チャンスを確実にモノにし、接戦を制した。


 最終回、痛恨の連続押し出し死球
日本文理(新潟)   5 = 110000102
聖光学院(福島)   1 = 100000000

 隣県同士の対戦となったこの試合、中盤までは1点を争う投手戦となった。まずは日本文理が聖光学院のエース船迫大雅(3年)の立ち上がりを攻める。1番・星兼太(2年)が四球で出塁すると、次打者が犠打を決めて、1死二塁とする。ここで3番・小太刀緒飛(3年)が先制タイムリー。さらにヒットと四球で2死満塁とする。しかし、ここは船迫が踏ん張った。7番・竹石稜(3年)を3球三振に仕留めてピンチを凌いだ。その裏、ここまでひとりで投げ抜いてきた日本文理のエース飯塚悟史(3年)の立ち上がりを、今度は聖光学院打線が攻める。1番・八百板卓丸(3年)が内野安打で出塁すると、次打者の犠打で二塁へ。すると、3番・柳沼健太郎(3年)が右中間に飛ばすと、二塁ランナー八百板が好走を見せて同点のホームを踏んだ。聖光学院がすかさず試合を振り出しに戻した。
 2回表、日本文理は8、9番に連打が出て、無死二、三塁とチャンスをつかんだ。2死後、小太刀のタイムリーで再び日本文理が勝ち越した。エース飯塚は2回以降、毎回ランナーをスコアリングポジションに進められるも、要所を締めるピッチングで、この1点を守り続ける。一方、聖光学院エースの船迫も、3回以降は日本文理に追加点を許さない。中盤はゼロ行進が続いた。
 試合が再び動いたのは7回表。日本文理は先頭の星がヒットで出塁すると、次打者の犠打で二塁へ。2死後、4番・池田貴将(3年)は四球で出塁し、一、二塁とした。続く5番・小林将也(3年)の打球はライト前にポトリと落ちるテキサスヒット。これで二塁ランナーが返り、日本文理が貴重な追加点を挙げた。その裏、聖光学院も2死一、二塁とチャンスをつかむも、飯塚はここも難なく後続を抑えた。
 8回裏、聖光学院は勝負に出た。まずは先頭の6番・石垣光浩(3年)が三遊間を抜けるヒットで出塁すると、次打者の犠打で二進する。ここで代打に藤田理志(2年)を送った。だが、藤田はライトフライに倒れる。そしてここまで好投してきた船迫に代えて、佐藤都志也(2年)を代打に送る。佐藤は外角高めの直球を弾き返した。センターに抜けるかと思われたが、この打球をマウンド上の飯塚がグラブで叩き落とし、落ち着いて一塁へ。聖光学院はまたもランナーを返すことができなかった。
 9回表、聖光学院は2番手・今泉慶太(2年)をマウンドに上げた。今泉は簡単に2死を取るも、3、4番に連打を浴びると、死球を出し、満塁としてしまう。そして2者連続となる痛恨の押し出し死球で、両校にとって大きな2点が日本文理に入った。その裏、2死から3番・柳沼健太郎(3年)が内野安打で出塁し、粘りを見せるも、最後は4番・安田光希(3年)がライトフライに倒れ、ゲームセット。日本文理が準優勝した2009年以来となる5年ぶりの準決勝進出を決めた。