現地時間20日、バスケットボールのNBAドラフトが開催された。1巡目指名が確実視されていたゴンザガ大学の八村塁はワシントン・ウィザーズが全体9位で指名した。日本人のNBAドラフト指名は1981年の岡山恭崇氏以来。ゴールデンステイト・ウォリアーズから8巡目全体171位で指名された岡山氏はNBAではプレーしなかった。八村は日本人として初の1巡目指名となった。

 

「何とも言えない気持ちです。ここに立っていることが夢みたい」
 日本バスケットボール界にまたしてもビッグニュースが飛び込んだ。大学3年生の八村がNBAドラフト1巡目指名を受けた。日本人がドラフト指名されたのは過去1人しかいなかった。実際にNBAでプレーしたのも田臥勇太、渡邊雄太の2人だけである。契約すれば年俸は推定4億円。今月3日に千葉ジェッツふなばしの富樫勇樹が1億円プレーヤーとなったことを発表し、話題を呼んだ。八村はそれを上回る報酬を手にすることになる。

 

 富山県生まれの八村は父親がベナン、母親が日本のハーフだ。2mを超える長身ながら運動能力も高い。2016年からアメリカに渡り、全米体育協会(NCAA)のゴンザガ大に入学した。大学3年となった今季は37試合に出場。NCAAトーナメントのエリート8で敗れたものの、1試合平均19.7得点、6.5リバウンド、1.5アシストを記録した。その活躍が評価され、NCAAの年間最優秀スモールフォワードに与えられる「ジュリアス・アービング賞」を受賞した。

 

 八村を指名したウィザーズは1961年創設にされたチームだ。イースタン・カンファレンス南東部地区に所属し、リーグ優勝1度、地区優勝8度の優勝を誇る。今季は32勝50敗の同地区4位で、プレーオフ進出を逃した。代表的な選手はジョン・ウォール、ブラッドリー・ビールというバックコート陣。インサイドではドワイト・ハワードが在籍している。八村は「いろいろなポジションが得点できるチーム。そこに僕もいいインパクトが与えられると思う」と語った。

 

 世界最高峰の舞台で21歳の若武者が大暴れするのか。NBA開幕前の8月末にはワールドカップが控えている。日の丸を背負う八村のプレーに一層の注目が集まる。

 

(文/杉浦泰介)