(写真:12年ぶりの優勝を喜んだ)

 22日、全日本学生柔道優勝大会初日が東京・日本武道館で行われた。女子5人制は東海大学が5連覇中の山梨学院大学を3-0で破り、12年ぶり5度目の優勝を果たした。同3人制は昨年準優勝の明治国際医療大学が東京女子体育大学を2-0で下し、初優勝を収めた。

 

  女子5人制は東海大が制した。2004年アテネオリンピック柔道女子78kg超級金メダリストで、東海大OGの塚田真希監督が就任後初の団体タイトルだ。指揮官は「最後は選手を信じた。やり切ってくれて感無量」と喜んだ。

 

(写真:冷静に試合を見つめる塚田監督<左>)

  準決勝で環太平洋大学に1-0競り勝ち、辿り着いた決勝戦。対戦相手は6連覇を狙う山梨学院大だ。山梨学院大は5人中4人を1年生を起用する若いメンバーで臨んだ。一方の東海大は副将の立川桃と大将の児玉ひかるが1年。児玉は実業団を経て東海大に入学した異色の経歴を持つ。
 
  主将の河内雪乃(4年)によれば「前で取って後ろで粘る」戦法だったという。準決勝と同じメンバー、順番で組んだ。先鋒の富沢佳奈(2年)は技ありからの寝技で合わせ技一本、次鋒の竹内鈴(3年)は返し技で一本を取った。中堅のエルビスマル・ロドリゲス(2年)は引き分けで次に繋いだ。
 

(写真:兄・新も東海大に所属する立川)

  勝負を決めたのは塚田監督が「勝負強い」と評する副将の立川だ。引き分けでも優勝が決まる場面。立川は「自分もしっかりとって勝ちたい」と攻めた。残り20秒を切ったところで、立川の小内刈りが決まる。技あり。ポイントで優勢となった立川は残り時間も攻め切り、優勢勝ちを収めた。3-0で優勝を確定させた。
 
 大将の児玉は引き分け、山梨学院大に1点も許さなかった。5月の東京学生柔道優勝大会ではベスト4どまり。塚田監督が「一戦一戦チャレンジャーとして全力で向かっていこう」と送り出した選手たちは期待に応えた。河内は「東京学生で負けてから全員でキツい練習を乗り越えてきた」と振り返った。
 
 2016年11月から指揮を執る塚田監督は、大学時代は全日本学生優勝大会2度の優勝を経験している。監督としては3度目の全日本学生学生優勝大会で、母校を07年大会以来の戴冠に導いた。「連覇とは言いません」と塚田監督。「個人戦に向けて頑張っていきたい」と次戦を見据えていた。
 
(文・写真/杉浦泰介)