16日、2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は第1回メディア委員会を開いた。議会後、組織委の森喜朗会長が会見に出席し、「的確な意見をたくさんいだたき、非常に勉強になった」と手応えを語れば、同席したメディア委員会の日枝久委員長も「初めての会合で、これだけ色々と提案が出てくるとは想像もしなかった」と活発な意見交換に充実感を示した。また同日に行われた評議員会では、評議員に元文部科学大臣の遠山敦子氏、理事に現文部科学副大臣の丹羽秀樹氏の新任を決めた。
(写真:前回の東京五輪は報道記者として参加した日枝委員長)
 会議終了の予定時刻を過ぎても、会見に現れなかった森会長と日枝委員長。そのことが会合の充実ぶりを窺わせた。それは会見に出席した両名の表情を見ても明らかだった。

 12日に新たに設置された専門委員会のメディア委員会とアスリート委員会。メディア委員は報道関係者36名で構成され、メディアの視点から組織委に専門的なアドバイスを送ることを目的とされている。今回はメディア委員会の初の会合となった。日枝委員長は今回の会合について、非常に満足している様子。「2020年のレガシーはどうしたらいいのか。たとえばバリアフリーにするとか、言葉の問題もある。新しい日本が求められている姿をメディアの皆さんからご意見を頂戴しようと。今回は本当にいい話が聞けたと思います。これから会合をやるのが楽しみですね」と笑顔を見せた。

 一方の森会長も「せっかくこれだけのメンバーがいるんだから、絶えず皆さんとの交流をしたい。そのためには色々やりかたがあるじゃないですか。個々に聞きたいことも随分ありますね」と引き続き意見交換の場を設けたい意向を表した。メディア委員会は来年2月までに組織委がIOCに提出する大会開催基本計画作成に向け、今回の会合でまとめたものを、事務局に意見する。日枝委員長は「これは組織委員会が決めること」と前置きしながら「分科会を開くことになるかもしれませんね。アイデアがもう少し必要となれば」と、メディア委員会に限らず小会議を開く可能性を示唆した。

 2時間以上にわたって行われた第1回メディア委員会。これが無駄話にならぬよう今後も議論を重ね、大会ビジョンをブラッシュアップしていきたい。

(文・写真/杉浦泰介)