カープの天敵といえば、横浜DeNAの4年目のサウスポー今永昇太だ。
 
 今季の対戦成績は以下のとおり。
4月12日 先発 9回無得点 0対6 負け
4月19日 先発 7回無得点 2対1 勝ち(敗戦投手スペンサー・パットン)
5月10日 先発 7回2得点 2対6 負け
6月28日 先発 5回3得点 3対13 負け
8月18日 先発 9回無得点 0対1 負け
9月1日  先発 7回1/3 2得点 2対3 負け
 
 9月4日現在、カープはDeNAに11勝12敗1分けと1つ負け越しているが、今永ひとりにやられているような印象がある。
 
 昨シーズン、4勝(11敗)に終わった今永の再生に一役買ったのがカープOBの川口和久だ。
 
 川口によると昨シーズンの今永は右足を上げる際に力みがあり、フィニッシュにまで全身の力が伝わらなかったというのだ。
 
 テレビでの解説を通じて、その欠点を伝えたところ、今永はすぐにフォームを修正し、今の成績につなげたというのである。
 
 カープファンには「余計なこと教えやがって」という思いもあるかもしれないが、教えたり教わったり、盗んだり盗まれたりするのがプロ野球である。そうしていくうちに双方の技術が向上し、プロ野球の内容は、より高度なものとなっていくのだ。
 
 リーグ4連覇がほぼ絶望的となった今、カープはひとつでも上の順位を目指さなくてはならない。クライマックスシリーズのファーストステージを本拠地で戦えるのとビジターとでは、精神的にも興行的にも大きな違いがある。
 
「天敵、今永を血祭りに上げて勢いに乗るぞ!」。選手たちは、そのくらいの意気込みで短期決戦に臨んでもらいたいものだ。
 
(このコーナーは二宮清純が第1週木曜、書籍編集者・上田哲之さんが第2週木曜、フリーライター西本恵さんが第3週木曜を担当します)

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