5日、プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕した。セ・リーグはレギュラーシーズン3位の阪神が同2位の横浜DeNAを8-7で、パ・リーグは同3位の東北楽天が同2位の福岡ソフトバンクを5-3で下した。阪神は初回に筒香嘉智に3ランを浴びるなど、5回終了時点で6点のリードを許した。7回に北条史也の3ランなどで2点差に迫り、8回には3点を挙げて逆転に成功。そのまま継投で逃げ切った。東北楽天はエース則本昂大が序盤に3点を失う苦しい展開。それでも5回に浅村のホームランで同点、7回には茂木栄五郎の決勝弾が生まれ、試合をひっくり返した。

 

◇セ・リーグファーストステージ第1戦
 北条、逆転打含む5打点の活躍(阪神1勝 横浜)
阪神     8 = 000|100|430
横浜DeNA 7 = 300|040|000
勝利投手 ドリス(1勝0敗)
敗戦投手 エスコバー(0勝1敗)
セーブ  藤川(1S)
本塁打 (神)北条1号3ラン
     (D)筒香1号3ラン

 

◇パ・リーグファーストステージ第1戦
 浅村、3安打3打点の大暴れ(東北楽天1勝 ヤフオク)
東北楽天     5 = 101|010|101
福岡ソフトバンク 3 = 120|000|000

勝利投手 則本昂(1勝0敗)
敗戦投手 千賀(0勝1敗)
セーブ  松井(1S)
本塁打  (楽)浅村1号ソロ、2号ソロ、オコエ1号ソロ、茂木1号ソロ
     (ソ)今宮1号ソロ、内川1号2ラン

 

 

 セ・リーグ/阪神、6点差大逆転

 

 阪神の先発は西勇輝、DeNAは予想されたエース今永昇太ではなく石田健大の先発でゲームが始まった。1回、阪神は近本光司がセンター前ヒットで出塁、北條史也がすかさず送って1死二塁のチャンスを作ったものの、後続が倒れて先制点はならなかった。その裏、DeNAは神里和毅がライト前ヒットで出塁し、2番ネフタリ・ソトがレフト前ヒットで続き、無死一、二塁。ここで3番・筒香嘉智がライトスタンドに放り込み、3点を先制した。阪神の先発・西は続くホセ・ロペスにもヒットを許し、宮﨑敏郎の打球を足に受け、退場。結局、1死もとれないまま二番手・守屋功輝にマウンドを譲った。

 

 DeNAは5回、2死から神里、ソトが連打、一、三塁で筒香がライトへタイムリーヒットを放ち、4対1。さらにロペスがレフト前、柴田竜拓がライト前へタイムリー放ち、この回、一挙4点をあげ、7対1とリードを奪った。

 

 先発の石田は4回を投げ、被安打3。梅野隆太郎の犠牲フライの1点だけに抑え、5回から2番手・今永がマウンドに上がった。今永は上本博紀にヒットを許したものの、その後は阪神打線をノーヒットに抑え、得点を許さなかった。

 

 DeNAの6点リードで試合は終盤へ。7回、DeNAはエディソン・バリオスをマウンドに送った。バリオスは1死をとったものの高山俊にツーベースを打たれ、代打・木浪聖也がタイムリーツーベース。1死二塁でエドウィン・エスコバーがマウンドへ。だが、勢いづく阪神打線は近本が内野安打で出塁し、続く北條が3ランホームラン。5対7と2点差に迫った。

 

 8回、続けてマウンドに上がったエスコバーを阪神が攻めた。2死二塁から木浪がタイムリーヒットで1点差。さらに近本がライト前ヒットを放ち、2死一、三塁。ここでピッチャーがエスコバーから国吉佑樹に交代。近本が盗塁に成功し、二、三塁となったところで、前の打席で3ランを打った北条がセンターオーバーのスリーベースを放ち、8対7と阪神が逆転に成功した。

 

 阪神は8回、岩崎優が大和、神里、ソトを三者三振に仕留め、DeNAの反撃を許さず。9回も藤川球児が宮﨑にツーベースを打たれたものの、最後は柴田を一塁ファウルフライに打ち取り、ゲームセット。ファイナルステージ進出に王手をかけた。

 

 パ・リーグ/楽天、アーチ攻勢制す

 

 ソフトバンクが千賀滉大、楽天が則本昂大、両エースの先発で始まったゲームは、初回から空中戦となった。楽天が2死から浅村栄斗が右中間にソロホームランを放ち先制すると、ソフトバンクはその裏、今宮健太がライトスタンドに放り込み同点。さらに2回裏、中村晃が死球で出塁し、続く内川聖一がノーボール1ストライクからインコースのボールをレフトスタンドに運び、3対1とソフトバンクが勝ち越した。

 

 2点を追う楽天は3回、先頭バッターのオコエ瑠偉のレフトへのホームランで1点を返し、2対3。さらに5回にはこの日2本目となる浅村のホームランで3対3、ゲームを振り出しに戻した。

 

 先発の則本は4回、5回をノーヒットに抑え、6回で9つの三振を奪い、降板。エースの好投に報いたい楽天は7回、2死走者なしから茂木栄五郎がレフトスタンドにホームラン。4対3とこの試合、初めてリードを奪った。

 

 楽天は9回にも浅村の内野安打で1点を追加。最終回は松井裕樹がマウンドに上がり中村晃をスライダーでショートフライ、内川を三振、松田宣浩をレフトフライに打ち取った。楽天は浅村を2本を含む4本塁打のアーチ攻勢で逆転勝ち。ファイナルステージ進出にあと1勝と迫った。敗れたソフトバンクは2本塁打ながらヒット6本と好機であと1本が出なかった。

 

 

(文/SC編集部・杉浦、西崎)