「2014SUZUKI日米野球」が12日、京セラドーム大阪で第1戦を迎え、日本代表の侍ジャパンはMLBオールスターを2−0で破り、先勝した。侍ジャパンは2回、松田宣浩(福岡ソフトバンク)の犠飛で先制。4回には初代表の山田哲人(東京ヤクルト)のタイムリーで1点を追加する。投げては先発の前田健太(広島)から4人の投手リレーで強力打線を封じこんだ。

 大谷、MAX159キロで1回無失点(京セラドーム)
MLBオールスター  0 = 000000000
日本代表        2 = 01010000×
(M)●シューメーカー−ハンター−サンティアゴ−メランコン
(日)○前田−牧田−大谷−S西野
 WBC経験者と新戦力がかみ合い、侍ジャパンが好発進した。
 日米野球自体は8年ぶりだが、常設の日本代表としてMLBを迎えうつのは今回が初めて。ピッチャーの球数制限や延長タイブレーク制などWBCを見据えたルールが設けられ、侍ジャパンにとっては世界一奪還を目指す2017年大会への強化試合との位置づけで臨んでいる。

 その初戦で、まず結果を残したのが、前回のWBC出場組だ。2回、先頭の5番・内川聖一(福岡ソフトバンク)がMLB先発のマット・シューメーカー(エンゼルス)から右中間へのヒットで出塁する。続く坂本勇人(巨人)が、左中間を破る二塁打。無死二、三塁で、打席には先の日本シリーズでは日本一を決める決勝打を放った松田が入る。勝負強いクラッチヒッターはきっちりセンターへ犠牲フライを上げ、侍ジャパンが先行する。

 侍ジャパンの先発は、昨年のWBCで中心的な役割を果たした前田。初回こそ、久々に実戦で投げるWBC使用球の扱いに苦しんだのか、ヒットと四球で一、二塁のピンチを背負う。だが、ナ・リーグ首位打者(.319)のジャスティン・モーノー(ロッキーズ)、ヤシエル・プイグ(ドジャース)と相手の中軸を抑え、無失点で切り抜ける。

「怖さがあった。甘くいったら長打になる。慎重に投げた」
 2回以降は前田曰く「日本のボールより動きやすい」というWBC球の特徴を生かした。手許で変化するツーシームを交えながら打たせて取るピッチングを披露し、5回を投げてMLB打線を2安打無失点に封じる。球数も71球(制限は80球)と理想的なかたちで2番手以降にバトンをつなぐ。

 経験者がつくった流れに乗ったのが、初代表組だ。4回、2死二塁と追加点のチャンスで打順は8番の山田に回る。今季、日本人右打者の最多安打記録を更新(193本)して代表に選ばれた22歳は、シューメーカーの投じたスプリットをうまく拾ってレフト前に落とす。技ありの一打で二塁走者が生還。侍ジャパンが2−0とリードを広げた。

 6回、7回は前回WBC代表の牧田和久(埼玉西武)がアンダースローでMLBの強打者を翻弄すると、8回には満を持して初代表の大谷翔平(北海道日本ハム)がマウンドに上がる。今季、11勝をあげた二刀流右腕は、日本最速タイとなる162キロを計測した速球を武器に真っ向勝負を挑む。

 先頭のアルシデス・エスコバル(ロイヤルズ)は詰まらせてライトフライ。続くデクスター・ファウラー(アストロズ)も156キロの速球でレフトフライに仕留めた。さらにベン・ゾブリスト(レイズ)に対しては初球のストレートがMAXの159キロを記録する。2球目からもストレートで押し、ファーストゴロに打ち取った。

 侍ジャパンは5回以降、得点は奪えなかったものの、最終回は西野勇士(千葉ロッテ)が3人で相手の攻撃を終わらせてゲームセット。最後は本職ではないファーストを守る山田が痛烈なライナーをキャッチし、飛び出した一塁走者をアウトにしてダブルプレーで締めくくった。

 第2戦は東京ドームに場所を移し、14日に行われる。予告先発は侍ジャパンが金子千尋(オリックス)、MLBが岩隈久志(マリナーズ)と発表された。