「NPB AWARDS 2014 supported by リポビタンD」が26日、都内で開催され、今季活躍した選手などが表彰を受けた。昨年まで、このイベントは「プロ野球コンベンション」として行われてきたが、プロ野球80周年の節目にあたり、今回から名称が変更になった。最優秀選手(MVP)にはパ・リーグでは最多勝(16勝)、最優秀防御率(1.98)の2冠に輝き、チームの2位躍進の原動力となった金子千尋(オリックス)が選ばれた。セ・リーグのMVPにはチームトップの12勝をあげ、3連覇に貢献した巨人の菅野智之が選出された。また、最優秀新人はセ・リーグは大瀬良大地(広島)、パ・リーグは石川歩(千葉ロッテ)と、ともに2ケタ勝利をあげた右腕に決まった。
 パのMVPは優勝、日本一を果たしたソフトバンクの選手ではなく、リーグを最後まで盛り上げたオリックスのエースが獲得した。優勝球団以外からの選出はパでは08年の岩隈久志(東北楽天)以来。記者による有効投票数243のうち、半数以上となる125の1位票を集めた。

 壇上に立った金子は「優勝してMVPを受賞できるように1日1日を大切にして過ごしていきたい」とスピーチ。「(最終戦で)ソフトバンクに負けた試合も悔しかったが、クライマックスシリーズ(CS)の初戦でチームを勝たせられなかった」とCSファーストステージ敗退という結果に悔しさをにじませた。

 国内FA権を行使し、移籍か残留かが注目されており、司会者の「去就について、もっと具体的に」との質問には「それはちょっと……」と苦笑い。「野球をやることに変わりはない。再び、この賞をいただけるように頑張りたい」と締めた。

 セでは2年目にして巨人のエース格に成長した右腕がMVPに輝いた。今季は開幕投手に抜擢され、内海哲也(7勝)、杉内俊哉(10勝)ら実績のある先発陣の勝ち星が伸び悩む中、チームの勝ち頭となった。防御率2.33で最優秀防御率のタイトルも獲得した。

「まさか自分が選ばれるとは思っていなかった」と菅野は驚きの表情をみせた。8月には右手中指を痛め、10月には右ヒジ靭帯の部分損傷で離脱。CSでの登板はできず、チームも阪神に4連敗を喫して日本シリーズに進めなかった。
「来年こそはシーズンを通じて活躍して、日本一を獲って、またこの舞台に戻ってきたい」
 右腕はトロフィーを手に更なる飛躍を誓った。

 そのほかの受賞者は次の通り。

【セ・リーグ】
<ベストナイン>
投手   菅野智之(巨人) 初
捕手   阿部慎之助 (巨人) 8年連続9度目
一塁手 マウロ・ゴメス(阪神) 初
二塁手 山田哲人(東京ヤクルト) 初
三塁手 エクトル・ルナ(中日) 初
遊撃手 鳥谷敬(阪神) 2年連続5度目
外野手 マット・マートン(阪神) 2年連続4度目
      丸佳浩(広島) 初
      雄平(東京ヤクルト) 初

<最優秀監督賞>    原辰徳(巨人)
<スピードアップ賞>  三浦大輔(横浜DeNA)
<特別賞>        山本昌(中日) 史上最年長登板、最年長勝利記録更新
                谷繁元信(中日) 捕手として通算最多試合出場記録更新

【パ・リーグ】
<ベストナイン>
投手    金子千尋(オリックス) 初
捕手    伊藤光(オリックス) 初
一塁手  エルネスト・メヒア(埼玉西武) 初
二塁手  藤田一也(東北楽天) 2年連続2度目
三塁手  銀次(東北楽天) 初
遊撃手  今宮健太(千葉ロッテ) 初
外野手  糸井嘉男(オリックス) 2年ぶり4度目
       柳田悠岐(福岡ソフトバンク) 初
       中田翔(北海道日本ハム) 2年連続2度目
指名打者 中村剛也(埼玉西武) 初(三塁手で4度)

<最優秀監督賞>    秋山幸二(福岡ソフトバンク)
<スピードアップ賞>  栗山巧(埼玉西武)
<特別功労賞>     稲葉篤紀(北海道日本ハム)
<特別賞>        平野佳寿 シーズン40セーブのリーグ記録

<正力松太郎賞>    秋山幸二(福岡ソフトバンク) 3年ぶり3度目 
<沢村栄治賞>     金子千尋(オリックス) 初
<最優秀審判員賞>   眞鍋勝己