「2014SUZUKI日米野球」は20日、沖縄セルラースタジアム那覇で最後の親善試合を行い、日本代表の侍ジャパンはMLBオールスターに6−4で勝利した。侍ジャパンは1−1の同点の4回、相手のミスに乗じて勝ち越すと、5回には丸佳浩(広島)のタイムリーで1点を追加。1点差に迫られて迎えた8回には柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、菊池涼介(広島)の連打で突き放して逃げ切った。

 菊池、タイムリー含む3安打&好守備(那覇)
日本代表       6 = 010110030
MLBオールスター  4 = 100010011
(日)○武田−松葉−西−岩田−S西野
(M)●サンティアゴ−和田−ウッテン−ベラス−チョート−モラレス
本塁打 (M)ロンゴリア2号ソロ
 親善試合も含め、6戦で4勝2敗。MLB軍団に明確なかたちで勝ち越し、3年後のWBCに向け、一定の成果を収めた日米野球となった。この日、打点をあげたのは全員が26歳以下。2017年に主力となり得る選手たちだ。

 初回、先発の武田翔太(福岡ソフトバンク)がジャスティン・モーノー(ロッキーズ)の犠飛で1点を失うも、侍ジャパンはすぐさま反撃する。2回、2死一、二塁で8番スタメンの今宮健太がMLB先発左腕のヘクター・サンティアゴ(エンゼルス)のストレートを弾き返すタイムリー。1−1の同点に追いつく。

 今宮は守備でも魅せた。3回、1死一、二塁のピンチで、木偶スター・ファウラー(アストロズ)の打球はショートの左を襲う。これを反応よくダイビングキャッチすると、素早く二塁に転送。抜ければタイムリーという当たりをアウトにし、勝ち越し点を許さない。今宮はバッティングでも3安打を放って、今シリーズ2度目のスタメンで攻守に結果を残した。

 すると4回、侍ジャパンは相手の失策でリードをもらう。ヒットと相手のエラーで1死一、三塁となり、山田哲人(東京ヤクルト)はセンターフライ。犠飛には浅い当たりで三塁走者は自重したものの、センターのファウラーは飛び出した一塁走者を刺そうとしたのか、誰もいないファーストへ送球してしまう。ボールがファウルグラウンドに転がる間に、三塁走者が勝ち越しのホームを踏んだ。

 続く5回、MLBは2番手の和田毅(カブス)がマウンドへ。しかし、その立ち上がりを広島のキクマルコンビがとらえた。菊池が初球をライト前に運んで出塁すると、丸も初球を叩く。打球はライトの頭上を越す二塁打。菊池が一塁から俊足を飛ばして生還し、3−1と点差を広げた。和田は2回を投げて3安打1失点。2点を失った第2戦に続き、悔しい凱旋登板となった。

 侍ジャパンは直後にエバン・ロンゴリア(レイズ)のソロで1点差に迫られたものの、2番手の松葉貴大、3番手の西勇輝とオリックスの2投手が走者を背負いながら踏ん張り、リードを守る。

 そして8回、とどめを刺したのは今シリーズのMVP男だ。1死一、二塁ながら小林誠司(巨人)が送って二、三塁とし、打席に入ったのは柳田。MLBベンチが送り込んだサイドスロー左腕のランディ・チョート(カージナルス)から詰まりながらもセンター前へ持っていく。2人の走者が還り、5−2と勝利を決定づけた。なおも菊池が右中間を破り、猛打賞となる二塁打。ダメ押し点が入った。

 MLBも8回にモーノーのタイムリー、最終回にはアルシデス・エスコバル(ロイヤルズ)の犠牲フライで1点ずつを返して意地をみせる。だが、最後は抑えの西野勇士(千葉ロッテ)がア・リーグ首位打者のホセ・アルテューベ(アストロズ)をショートゴロに打ち取り、ゲームを締めくくった。

 侍ジャパンは来季開幕前にも強化試合を行う予定で、対戦相手にはキューバなどがあがっている。