横浜FM・仲川、MVPと得点王の“2冠” ~2019Jリーグアウォーズ~
2019Jリーグアウォーズが8日、都内で行われ、各賞の発表が行われた。JリーグのMVPには15得点を記録し、横浜F・マリノスの15年ぶりのリーグ制覇に貢献したMF仲川輝人が選出された。仲川は得点王に輝くなど個人タイトル“2冠”を達成した。
MVPは横浜FMの攻撃を牽引した仲川が手にした。今季リーグ戦33試合に出場し、15得点。PKによる得点はゼロ、全て流れの中からのゴールで、1試合での複数得点もなくコンスタントにゴールネットを揺らし続けた。攻撃サッカーを志向する横浜FMの生命線はDFラインを常に高く設定している。昨季までは“超”ロングシュートでGKの頭越しに狙われるの失点も見られた。今季は仲川ら前線の選手がそれをさせまいと、ボールを奪われた瞬間から果敢にプレスをかけ続けた。攻守両面が評価されてのMVP選出となった。
仲川は10日から始まるE‐1選手権を戦う日本代表メンバーに選出されている。昨日、J1最終節を戦い、すでに同選手権が行われる釜山に移動している。釜山からの中継でMVP受賞の喜びをこう語った。
「マリノスにかかわるすべての方々に感謝したいです。この賞をファン・サポーターに届けたい。Jリーグの歴史に自分の名前を刻めたことが嬉しい。これからもJリーグを発展させられるように頑張りたい」
リーグ優勝を決め、息つく間もなくE-1選手権が開幕する。「厳しい日程の中で自分がどれだけやれるか示したい」と口にした。
ベストイレブンには2位・FC東京から最多の6人(GK林彰洋、DF室屋成、森重真人、MF橋本拳人、FWディエゴ・オリヴェイラ、永井謙佑)が選出された。長谷川健太監督のもの、球際に激しく“ダブルエンジン”と称されるオリヴェイラと永井の推進力とスピードを生かしたサッカーを展開した。
最優秀ゴール賞には今季限りで現役引退を表明したヴィッセル神戸・FWダビド・ビジャが第17節、対名古屋グランパス戦(ノエビア)の27分に決めたゴールが選ばれた。このゴールは左サイドからのスルーパスに相手DFラインの裏に抜け出したものだ。カバーに入った相手DFとの対面勝負で左右に揺さぶり、最後は右に行くと見せかけ、相手の重心を崩し、左に。飛び出したGKのタイミングを外すように右足に持ち替え、シュートを放った。
ビジャは「ストライカーとしてゴールを決めるためにピッチに立っているので、こういった賞(の受賞は)は嬉しい。ゴールを決めるために味方がたくさんハードワークしてくれているので感謝したい」と受賞した感想を述べた。
受賞ゴールの解説はこうだ。
「このゴールはいくつかのエッセンスがある。最初の抜け出しが重要だった。そして右に行くと見せかけて左にいった。いくつかのプレーがうまくいった」
2月下旬にJリーグは開幕し、残すは湘南ベルマーレ対徳島ヴォルティスのJ1参入プレーオフ・決定戦を残すのみ。今季はJ1の優勝争いが最終節までもつれるなど、白熱した長丁場の戦いとなった。
<2019 Jリーグアウォーズ受賞者一覧>
○最優秀選手賞
仲川輝人(横浜F・マリノス) ※初
○ベストイレブン
GK林彰洋(FC東京)
DF室屋成、森重真人(ともにFC東京)、チアゴ・マルチンス(横浜F・マリノス)
MF橋本拳人(FC東京)、喜田拓也(横浜F・マリノス)、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)
FWディエゴ・オリヴェイラ、永井謙佑(ともにFC東京)、仲川輝人、マルコス・ジュニオール(ともに横浜F・マリノス)
○得点王
FW仲川輝人、マルコス・ジュニオール(ともに横浜F・マリノス)15得点 ※ともに初
○ベストヤングプレーヤー賞
MF田中碧(川崎フロンターレ)
○優勝監督賞(J1)
アンジェ・ポステコグルー(横浜F・マリノス)
○優勝監督賞(J2)
ネルシーニョ(柏レイソル)
○優勝監督賞(J3)
小林伸二(ギラヴァンツ北九州)
○優秀監督賞(J1)
片野坂知宏(大分トリニータ) ※初
○優秀監督賞(J2)
下平隆宏(横浜FC) ※初
○優秀監督賞(J3)
石﨑信弘(藤枝MYFC) ※初
○最優秀ゴール賞
FWダビド・ビジャ(ヴィッセル神戸)第17節対名古屋グランパス(ノエビア)27分 ※初
○最優秀主審賞
西村雄一
○最優秀副審賞
越智新次 ※初
○フェアプレー個人賞
今年度該当者なし
○フェアプレー賞高円宮杯
FC東京 ※初
○フェアプレー賞(J1)反則ポイントが少ない順に記載
サンフレッチェ広島 ※8年連続9回目
大分トリニータ ※初
セレッソ大阪 ※3回目
ベガルタ仙台 ※3年連続5回目
名古屋グランパス ※初
ガンバ大阪 3年連続7回目
松本山雅FC ※2回目
鹿島アントラーズ ※3回目
川崎フロンターレ ※5年連続6回目
清水エスパルス ※2回目
ヴィッセル神戸 ※2回目
浦和レッズ ※2年連続4回目
○フェアプレー賞(J2)反則ポイントが少ない順に記載
ファジアーノ岡山 ※6回目
愛媛FC ※3回目
東京ヴェルディ ※3年連続3回目
栃木SC
ヴァンフォーレ甲府 ※2年連続2回目
大宮アルディージャ ※2年連続2回目
京都サンガF.C. ※2回目
アルビレックス新潟 ※2年連続2回目
FC琉球 ※初
モンテディオ山形 ※3回目
Ⅴ・ファーレン長崎 ※初
FC岐阜 ※2年連続2回目
横浜FC ※初
○フェアプレー賞(J3)反則ポイントが少ない順に記載
セレッソ大阪U-23 ※2回目
ブラウブリッツ秋田 ※3年連続4回目
アスルクラロ沼津 ※3年連続3回目
AC長野パルセイロ ※4回目
ガイナーレ鳥取 ※2年連続2回目
ロアッソ熊本 ※初
ザスパクサツ群馬 ※2年連続2回目
カターレ富山 ※初
カマタマーレ讃岐 ※初
ギラヴァンツ北九州 ※2年連続2回目
ガンバ大阪U-23 ※初
FC東京U-23 ※2年連続2回目
ヴァンラーレ八戸 ※初
○最優秀育成クラブ
京都サンガF.C. ※初
○功労選手賞
<2019シーズン功労選手賞受賞者>
・小笠原満男(鹿島アントラーズなど)
・川口能活(横浜マリノス/横浜F・マリノス、ジュビロ磐田、SC相模原など)
・中澤佑二(ヴェルディ川崎/東京ヴェルディ、横浜F・マリノスなど)
・楢﨑正剛(横浜フリューゲルス、名古屋グランパス)
・播戸竜二(ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪など)
・巻誠一郎(ジェフユナイテッド市原/ジェフユナイテッド千葉、ロアッソ熊本など)
・森崎和幸(サンフレッチェ広島)
・アレックス(アビスパ福岡、徳島ヴォルティス、カマタマーレ讃岐など)
※()内は主に所属したクラブ