30日、東京・立川競輪場で「KEIRINグランプリ2019」が行われ、佐藤慎太郎(福島)が初優勝した。2着に脇本雄太(福井)が、3位には平原康太(埼玉)が入った。副賞を含むGP賞金1億340万円を加えた佐藤の年間賞金総額は1億8873万3400円で自身初の賞金王に輝いた。

 

 13年ぶりのGP出場となったベテランが、初制覇を果たした。

 

 出場選手9人中5人がGP出場2回以下というフレッシュな顔触れとなった。優勝経験があるのは村上博幸(京都)のみ。10度目のチャレンジで初制覇を狙う平原らがレースに臨んだ。

 

 序盤は新田祐大との福島ラインで先頭を形成した。先導車が離れ、残り1周半を知らせるジャンが鳴らされると、縦の隊列は一気に崩れた。

 

 ここで先頭を窺うのが脇本だ。ナショナルチームにも選ばれる剛脚が、飛び出す。福島ラインは脇本を追いかけた。最後の直線で脇本を差し切ったのは佐藤。力強い走りで初のGPと賞金王を手に入れた。

 

 出場選手最年長の43歳。今年はG1未勝利ながら賞金ランキング5位で出場権を得た。「これまでは脇役だったが主役になれた」と佐藤は笑顔を見せた。来年は主役として競輪界を牽引することを期待される。

 

(文/杉浦泰介)