キックボクシングの「Krush.51」が6日、東京・後楽園ホールで開催され、メインイベントのKrush-58キロ級タイトルマッチでは王者の武尊(チームドラゴン)が、挑戦者の大滝裕太(ネクサスジム)を3R判定3−0で勝利し、3度目の防衛を果たした。-70キロ球王座決定トーナメント準決勝では中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット)が松倉信太郎(TRY HARD GYM)を3R判定3−0で下し、決勝進出を決めた。中島は4月12日の「Krush.53」(後楽園ホール)で山崎陽一(シルバーウルフ)と王座をかけて激突する。
(写真:前蹴りでリズムをつかみ、挑戦者を一蹴した王者・武尊)
 今、最も勢いのある王者が計3度のダウンを奪い、ベルトを守った。
 昨年は2度の防衛に成功し、秋のK-1のリングでもKO勝ちを収めた武尊が迎えうったのは、昨年末の挑戦者決定戦を2RKOで勝ち上がった大滝だった。試合前から挑発を繰り返してきた挑戦者を、武尊は前蹴りで後退させる。対する大滝も左フックを繰り出して応戦。ラウンド終了のゴングが鳴っても互いに額をつけてにらみ合う白熱の攻防となった。

 しかし、2Rに入ると、武尊が前蹴り、ヒザ蹴りでボディを攻め上げ、挑戦者の動きを止める。そこへ左ボディを突きさすと、たまらず、大滝は後ろ向きに崩れ落ちた。このダウンで試合の流れは武尊へ。挑戦者が立ち上がったところへ一気に襲いかかり、連打を浴びせて再びダウンを奪う。

 3Rも攻勢をみせた武尊は、またもボディで相手をリングに這いつくばらせる。3度目のダウンを喫し、その後は下がる一方の大滝を最後まで追いつめ、ジャッジが3者とも5ポイント差以上をつける大差判定勝ちを収めた。

「僕はMr.Krushと呼ばれたい」という23歳は、4月のK-1で-55キロ級トーナメントで初代王者の座を狙う。
「Krush代表としてK-1の世界チャンピオンになって帰ってきたい」
 輝くチャンピオンベルトを腰に巻き、ファンに力強く宣言した。

 また、セミファイナルとして実施された-65キロ級のスーパーファイトでは野杁正明(K-1ジムEBISU小比類巻道場)が、57戦56勝(31KO)1敗の実績を誇るイリアス・ブライド(モロッコ)と対戦。「ローでダメージを与えて倒そうと思った」とのプラン通り、パンチ力のあるブライドに対し、野杁はかかと落としやローキックで相手の左太ももを執拗に攻める。
(写真:徹底したファイトプランで相手を消耗させた野杁)

 これが功を奏して、最終3Rにはブライドの動きが鈍ると、さらに右ローキックを連発。試合終了間際、ダメージが蓄積したモロッコ人に右ローを打ち込むと、もう耐え切れず、ヒザから崩れた。最後にダウンを奪い、3−0の判定勝ち。野杁が強敵を破り、その実力を見せつけた。試合後には「4月のK-1で65キロのワンマッチが組まれていますけど、僕とゲーオ(・フェアテックス)の試合が決まったら、もっと盛り上がる。ぜひ組んでください」とK-1の-65キロ級王者との直接対決を熱望していた。

 その他の試合の結果は以下の通り。

<オープニングファイト第1試合> ※-58キロファイト
〇荒木虎之介(K-1ジム目黒 TEAM TIGER)
1R35秒 KO
×流鏑馬丈(チーム緒方)

<オープニングファイト第2試合> ※-65キロファイト
〇瑠輝也(KRB)
3R判定 3−0
×細越智貴(K-1ジムEBISU小比類巻道場)

<オープニングファイト第3試合> ※-67キロファイト
〇松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)
3R判定 3−0
×西内貴洋(正道会館)

<第1試合> ※-55キロファイト
〇軍司泰斗(チームペガサス)
3R判定 2−0
×勝大(シルバーウルフ)

<第2試合> ※-67キロファイト
〇斎藤武彦(K-1ジム目黒 TEAM TIGER)
3R判定 3−0
×野口陽平(87キックフィットネスクラブ)

<第3試合> ※-60キロファイト
〇剣闘士“俊”(チームペガサス)
1R1分10秒 KO
×三輪裕樹(DUROジム)

<第4試合> ※-55キロファイト
〇匠(チームドラゴン)
1R3分0秒 KO
×松下裕太(マッハ道場)

<第5試合> ※-70キロファイト
〇小鉄(K-1ジム目黒 TEAM TIGER)
1R41秒 KO
×山本優弥(Booch Beat)