日本代表の侍ジャパンが欧州代表と対戦する「ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015」は10日、東京ドームで第1戦を行い、侍ジャパンが4−3で勝利した。侍ジャパンは中盤までに3点を失い、7回まで1得点と苦戦を強いられる。だが8回、3連打で3点を奪って試合をひっくり返した。

 初代表の雄平、ミス取り返す決勝打(東京ドーム)
欧州代表     3 = 010200000
日本代表     4 = 00010003×
(欧)コルデマンス−マエストリ−エスカローナ−マルティス−●ファンミル
(日)大瀬良−牧田−藤浪−○又吉−S西野
 11月に12か国・地域が参加して開催される国際大会「プレミア12」への強化試合として位置づけられた一戦、侍ジャパンは2013年WBCで4強入りしたオランダを中心とした欧州代表に苦しめられた。

 侍ジャパンは1番に昨秋の日米野球MVP、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、クリーンアップに坂本勇人(巨人)、中田翔(北海道日本ハム)、筒香嘉智(横浜DeNA)が座った。

 だが、「今シーズン初めて(実戦で)投げた」という欧州代表先発のベテラン右腕ロブ・コルデマンス(オランダ)をとらえきれない。2回には6番の松田宣親(ソフトバンク)が二塁打でチャンスメイクし、2死二、三塁の場面を迎えるも、嶋基宏(東北楽天)がショートゴロに倒れ、得点を奪えなかった。

 一方、欧州代表は2回、侍ジャパン先発の大瀬良大地(広島)に対し、連打で無死一、三塁の好機をつくると、併殺打の間に1点を先行する。さらに4回、2番手の牧田和久(埼玉西武)からヒットと死球で走者を溜めると、オスカー・アングロの打球はセンター後方へ。センターの雄平(東京ヤクルト)は打球に追いついたかに見えたが、捕りきれず(記録は二塁打)、2者が生還し、0−3とリードを広げられる。

 侍ジャパンの反撃は直後の4回。拙い守備をみせた雄平が、オリックスのアレッサンドロ・マエストリ(イタリア)からライト線への二塁打で出塁。続く山田哲人(東京ヤクルト)が「チャンスだし、思い切って初球から打ちに行きました」とフォークを叩くと、打球は左中間フェンスを直撃する。雄平がホームを踏み、1点を返した。

 しかし、5回以降、侍ジャパンは走者を出すも、後続が倒れ、点差を縮められない。2点ビハインドのまま、試合は終盤に突入した。8回から侍ジャパンは4番手で初代表の又吉克樹(中日)を投入。昨季、中継ぎながら9勝をあげたサイド右腕はわずか9球で3者凡退に仕留める。

「又吉が完璧に抑えて流れが日本に来た」と小久保裕紀監督が称えたように、この好投でようやく打線にスイッチが入る。その裏、侍ジャパンは3番の坂本、4番の中田が連続四球を選ぶ。リードを守りたい欧州代表は昨季、東北楽天に所属した長身右腕のルーク・ファンミル(オランダ)にスイッチ。しかし、筒香がアウトコースのボールに逆らわず、三塁線を破り、1点差に詰め寄る。

 続く松田は初球を狙い、一、二塁間を突破。タイムリーとなり、同点に追いついた。なおも一、三塁で打席には雄平。「内野ゴロでも外野フライでも1点という気持ちで集中して入った」とカウント3−1からセンター前にはじき返す。4−3。侍ジャパンが集中打で逆転に成功した。

 最終回は西野勇士(千葉ロッテ)が3人で締めてゲームセット。11日には引き続き第2戦が行われ、侍ジャパンは松葉貴大(オリックス)、欧州代表はディエゴマル・マークウェル(オランダ)が先発する。