日本代表の侍ジャパンが欧州代表と対戦する「ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015」は11日、東京ドームで第2戦を行い、侍ジャパンは2−6で敗れた。侍ジャパンは先発の松葉貴大が3回5失点と大誤算。中盤に山田哲人(東京ヤクルト)のソロなどで反撃したが及ばなかった。

 菊池、2打席連続二塁打も打線振るわず(東京ドーム)
日本代表     2 = 000002000
欧州代表     6 = 02300001×
(日)●松葉−井納−武田−松井
(欧)○マークウェル−ナカル−ゾマー−ストゥイフベルゲン
本塁打 (日)山田ソロ
      (欧)デカスター3ラン
 格下と思われた相手でも、先制を許すと苦しくなる。慣れないピッチャーが出てくる国際試合であれば、なおさらだ。
「課題がみつかった。投手を中心とした守りが大切になる」
 敗れた小久保裕紀監督は、11月の国際大会「プレミア12」に向けた今回の強化試合を総括した。

 先発左腕・松葉は制球を乱し、2回、先頭打者に四球を与えると、1死後、マリオ・キアリーニ(イタリア)に三塁線を破られる。一塁走者が一気に生還し、先制点を許した。なおもブレーク・オチョア(スペイン)に右方向にはじき返され、0−2とリードを広げられる。

「調子自体は悪くなかった」という松葉だが、3回もピリッとしない。四球とヒットで走者を背負うと、2死後、オランダ代表の主砲ユレンデル・デカスターに変化球をとらえられる。打球は左中間スタンドに飛び込む3ラン。0−5と大差をつけられた。

 反撃したい侍ジャパンは1番に起用された大島洋平が2打席連続ヒットを放つも、中軸の柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、中田翔(北海道日本ハム)が振るわず、打線がつながらない。

 ようやく得点をあげたのは6回だ。先頭の山田が2球目をとらえ、バックスクリーン右にソロを放つ。「打った感触は良くもなく、悪くもなく」と本人は振り返った当たりだったが、今季、テーマにしていたセンターから右方向への力強い打球を飛ばし、1点を返す。

 なおも四球と筒香嘉智(横浜DeNA)のヒットで二、三塁のチャンス。しかし、銀次(東北楽天)の内野ゴロの間に1点を返したのみにとどまる。7回も2死一、二塁、8回は1死二塁と、いずれも得点圏に走者を進めたが、あと1本が出ず、点差を詰められない。

 8回にはプロでは初代表の松井裕樹(東北楽天)が登板するも、先頭打者に二塁打を浴びる。1死三塁となり、犠牲フライで1点を失い、ダメを押された。最終回には先頭バッターの菊池涼介(広島)がセカンドのグラブをはじく二塁打で好機を演出したものの、後続が倒れてゲームセットとなった。

 プレミア12にも出場が予想される欧州勢を迎えうった強化試合は1勝1敗。結果だけみれば、侍ジャパンにとっては不本意なものだ。ただ、前田健太(広島)、則本昴大(楽天)、大谷翔平(日本ハム)ら各球団のエース級が不在の中、この試合で2回をパーフェクトに封じた武田翔太(ソフトバンク)や、第1戦で勝ち投手になった又吉克樹(中日)ら若手ピッチャーの好投は収穫と言えるだろう。

 また、この日は試合途中から今宮健太(ソフトバンク)を本職のショートではなく、セカンドで起用。複数ポジションでの起用の可能性を探った。攻撃面でも稲葉篤紀打撃コーチが「外国人は独特のタイミングと(球質の)汚さがある。1球目から準備しておくことが大事」と、敢えてファーストストライクを積極的に打って出るように指示するなど、今後の国際大会に向けた布石も打った。

 定期的に代表戦を重ねることで、チームづくりに継続性を持たせ、2017年WBCでの世界一奪還を目指すのが侍ジャパンを常設化した大きな目的だ。日本と台湾を舞台に初開催されるプレミア12は、その成果が試される最初の舞台となる。

(石田洋之)