世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は20日、11月に日本と台湾で初開催される国際大会「プレミア12」の1次リーグの組み分けを発表した。世界ランキング1位の日本はグループBに入り、米国(同2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)と同組になった。開幕戦は11月8日に札幌ドームで韓国と激突する。1次リーグは総当たりで5試合を行い、上位4カ国が決勝トーナメントに進出する。発表を受け、都内で会見を開いた日本代表(侍ジャパン)の小久保裕紀監督は「強いチームばかりという印象を受けた。韓国との国と国をかけた戦いは過去の歴史をみても熱い戦いになる」と語った。
(写真:「具体的な相手が決まり、身が引き締まる」と決意を新たにした小久保監督)
 新生・侍ジャパンが初タイトルを目指す大会は、因縁の対決で幕を開ける。
 プレミア12はWBSCが主催する新たな世界一決定戦だ。世界ランキングの上位12カ国・地域が集結。11月8日から2週間にわたって頂点を目指す。1次リーグと決勝トーナメント1回戦は開幕の日韓戦を除いて台湾で実施され、準決勝と決勝は東京ドームで行われる。もうひとつのA組には、キューバ(ランキング3位)、台湾(4位)、オランダ(5位)、カナダ(7位)、プエルトリコ(9位)、イタリア(11位)が入った。

 初代王者へ好スタートを切る上で、重要なのが開幕戦だ。対戦する韓国とは、これまで五輪やWBCで数々の激闘を展開してきた。福岡ソフトバンクの李大浩や阪神の呉昇桓ら日本でも活躍中の選手も多い。
「ファンとしても見どころの多い初戦になる。こちらとしても必ず獲りに行く気持ちで臨みたい」
 侍ジャパンを率いる指揮官も、ライバルを叩いてチームに勢いをつけたい考えだ。

 現状、メジャーリーガーの参加はMLBの回答待ちだが、米国やドミニカ共和国が本腰を入れてくれば侍ジャパンにとっては、かなり手強い。ベネズエラやメキシコも出身メジャーリーガーは多く、厄介な相手になりそうだ。

 小久保監督は一昨年の就任以来、13年秋の台湾遠征、14年秋の日米野球、今春の欧州代表戦と3度、代表の指揮を執ってきた。17年の第4回WBCも見据え、メンバー選考は若手主体だった。初の国際大会となる今回は「過去3回招集したメンバー中心に、という思いはある」としながら、「幅広く選手を見ていきたい」と若手、ベテラン問わず、メンバーをピックアップする意向だ。日本人メジャーリーガーの侍ジャパン入りも「MLBの見解が出てから考えたい」と検討する構えを示した。

「第1回目の記念すべき大会で、世界一を勝ち取る瞬間を日本国民の皆さんの前で見せることができるチャンス。獲りにいかないわけにはいかない。11月に向けて選手の人選含めて、世界一を獲れるメンバー構成を考えたい」
 指揮官は目標を「世界一」に掲げ、大会への強い意気込みを口にした。
 
「組み合わせが決まって、相手の戦力分析もしやすくなる。目標設定がしやすくなった」
 選手たちがレギュラーシーズンを戦う中、小久保監督は候補選手のチェックに加え、必要であれば対戦相手の視察も実施する。本番まで残り半年、常設化した侍ジャパンの真価が問われる舞台がやってくる。