14日、ジャパンラグビー・トップリーグのパナソニック ワイルドナイツに所属するWTB福岡堅樹がオンライン会見を開いた。前日に東京オリンピック7人制(セブンズ)ラグビー男子日本代表トレーニングスコッドからの離脱を発表。東京オリンピック出場を断念していた。


 2021年に延期となった東京オリンピック開幕まで、あと1年3カ月を切った6月13日、日本ラグビーフットボール協会から日本代表候補の離脱者が発表された。第2次オリンピックスコッドから、リオデジャネイロオリンピック代表で主将を務めた桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)ら3名が、トレーニングスコッドからは福岡を含めた2名が外れることが決まった。

 

 第2次オリンピックスコッドから外れた橋野皓介(キヤノンイーグルス)がチームと通じ、<東京オリンピックを目指していましたが、1年延期が決まった時に、よし1年後!とはなりませんでした>とコメントしたように、新型コロナウイルス感染拡大の影響による1年延期で、オリンピックの道を諦める者もいる。それは福岡も同じ。彼はかねてより、東京オリンピック後に医学の道へ進むことを公言していたが、延期を受けて時期をスライドすることはなかった。

 

 福岡はオンライン会見で、セブンズ引退について、こう語った。
「今回このような結論に至ったのは、やはり自分の中で後悔したくない、後悔しない人生を生きたいとの思いが一番強かったからです。元々、この道に挑戦すると決めた時、アスリート、ラグビー選手として引退のタイミングについては考えていました。その中で今回の東京オリンピックの延期がささやかれはじめた時から、自分の中でどうするかは常に考えていました。自分の人生の中で、大きな決断をする時には必ずどの選択が一番後悔しないだろうかということを常に考えていました。今回の選択に関しても、それが一番大きく自分の中で影響していて、この選択が自分にとって一番受け入れることができるものでした」

 

 福岡は今後、セブンズの代表活動から離れ、その分の時間を勉強に充てるという。15人制の代表については、昨年のW杯日本大会を最後に引退を関係者に伝えている。今回をもって日本代表からの引退と言っていいだろう。ただし現役引退ではない。「ラグビー選手としての引退のタイミングについては、またその時になったらしっかりと自分の方から発信していきたいと思います。今回のタイミングで明言することはできない。まずはトップリーグが開催されれば、そこに向けて自分としては準備をしていきたいと思います」

 

(文/杉浦泰介)