女子やり投げ・海老原、4連覇達成 女子1万M・西原は2連覇 ともに世界陸上代表内定 〜日本陸上競技選手権〜
26日、世界陸上競技選手権(8月、中国・北京)の日本代表選考会を兼ねた「第99回日本陸上競技選手権大会」が新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開幕した。女子やり投げは日本記録保持者の海老原有希(スズキ浜松AC)が59メートル11で4連覇を達成。海老原は既に派遣設定記録(63メートル34)を突破しているため、世界選手権代表に内定した。女子1万メートルは、昨年度の優勝者の西原加純(ヤマダ電機)が32分6秒48で優勝。参加標準記録をクリアしていた西原は、世界選手権行きの切符を手にした。
「全体的には物足りない」。海老原は4年連続8度目の優勝も、会心のスローは一度も見られなかった。
1本目でトップには立ったものの、前半3本の投てきで波に乗れない。1本目は58メートル06、2本目は59メートル11、3本目は58メートル89と、60メートル超えはゼロ。それが「うまく集中しきれなかった」という後半につながり、残り3本の投てきは全てファウルに終わった。小雨がぱらついたこの日の曇り空のように、海老原の表情も最後まで冴えなかった。
それでも海老原を上回る選手はおらず、今年も女王の座は揺るがなかった。これで世界選手権は4大会連続の出場となる。海老原は「恥ずかしくないような私らしい投てきをしたい」と意気込んだ。目指すは、未踏の世界大会ファイナリスト。昨シーズンとは違い、ケガなく迎えられた今シーズンは5月に自らの日本記録を2年ぶりに更新した。これで勢いに乗るかと思われたが、この日は「反省点だけが残った」と精彩を欠いた。この鬱憤は北京で晴らすしかない。
一方、熾烈な代表権争いが期待されたのは、女子1万メートル。出場選手中5人が世界選手権参加標準記録(32分)を突破していた。5人のいずれかが優勝すれば、世界選手権の代表に決まるレースは西原が昨年に続き1着でゴールテープを切った。
序盤は先頭集団の中位につけ、様子を窺った。最初の1キロを3分6秒と日本記録を上回るハイペースだったが、徐々にペースは3分12秒、3分16秒、3分14秒、3分15秒と落ちていった。先頭が入れ替わる中、冷静に状況を見極めていた西原。「どこでいくか迷った」とレース後に振り返ったものの、ラスト1周を知らせる鐘が鳴ると、勢い良く飛び出して行った。ぐんぐんスピードに乗り、それまで先頭争いをしていた高島由香(デンソー)、萩原歩美(ユニクロ)ら他の選手を引き離す。誰も西原についていくことはできなかった。
昨年は優勝したものの、その後のアジア競技大会は8位入賞。悪い成績ではないが、萩原が銅メダルを獲得しただけに印象は薄かった。今シーズンはケガの影響もあり、なかなか調子が上がらない中で、日本選手権を迎えた。西原も「スタート悪かったが、何とか戻すことができた」と安堵の表情を見せた。初の世界選手権に向けて、「まだまだ力不足。もっと強い選手になっていいレースをしたい」と今後の成長を誓った。
初日の決勝結果は次の通り。
<男子3000メートル障害>
1位 潰滝大記(中央学院大) 8分32秒89
2位 篠藤淳(山陽特殊製鋼) 8分36秒61
3位 山下洸(NTN) 8分36秒61
<女子1万メートル>
1位 西原加純(ヤマダ電機) 32分6秒48
2位 高島由香(デンソー) 32分7秒91
3位 小原怜(天満屋) 32分8秒59
<女子走り高跳び>
1位 渡邉有希(ミライトテクノ) 1メートル81
2位 井上七海(オークワ) 1メートル78 ※順位は試技数による
3位 津田シェリアイ(東大阪大) 1メートル78
<女子棒高跳び>
1位 竜田夏苗(モンテローザ) 4メートル15
2位 仲田愛(水戸信用金庫) 4メートル10
3位 我孫子智美(滋賀レイクスターズ) 4メートル
<女子三段跳び>
1位 中尾有沙(祐和會) 13メートル09
2位 吉田麻佑(歩アスレチックス) 13メートル06
3位 前田和香(PEEK) 12メートル97
<女子円盤投げ>
1位 坂口亜弓(S.T.T.) 53メートル58
2位 藤森夏美(順天堂大) 49メートル57
3位 中田恵莉子(四国大クラブ) 49メートル23
<女子やり投げ>
1位 海老原有希(スズキ浜松AC) 59メートル11
2位 助永仁美(オークワ) 58メートル51
3位 斉藤真理菜(国士舘大) 57メートル73
※選手名の太字は世界選手権代表に内定
(文・写真/杉浦泰介)
「全体的には物足りない」。海老原は4年連続8度目の優勝も、会心のスローは一度も見られなかった。
1本目でトップには立ったものの、前半3本の投てきで波に乗れない。1本目は58メートル06、2本目は59メートル11、3本目は58メートル89と、60メートル超えはゼロ。それが「うまく集中しきれなかった」という後半につながり、残り3本の投てきは全てファウルに終わった。小雨がぱらついたこの日の曇り空のように、海老原の表情も最後まで冴えなかった。
それでも海老原を上回る選手はおらず、今年も女王の座は揺るがなかった。これで世界選手権は4大会連続の出場となる。海老原は「恥ずかしくないような私らしい投てきをしたい」と意気込んだ。目指すは、未踏の世界大会ファイナリスト。昨シーズンとは違い、ケガなく迎えられた今シーズンは5月に自らの日本記録を2年ぶりに更新した。これで勢いに乗るかと思われたが、この日は「反省点だけが残った」と精彩を欠いた。この鬱憤は北京で晴らすしかない。
一方、熾烈な代表権争いが期待されたのは、女子1万メートル。出場選手中5人が世界選手権参加標準記録(32分)を突破していた。5人のいずれかが優勝すれば、世界選手権の代表に決まるレースは西原が昨年に続き1着でゴールテープを切った。
序盤は先頭集団の中位につけ、様子を窺った。最初の1キロを3分6秒と日本記録を上回るハイペースだったが、徐々にペースは3分12秒、3分16秒、3分14秒、3分15秒と落ちていった。先頭が入れ替わる中、冷静に状況を見極めていた西原。「どこでいくか迷った」とレース後に振り返ったものの、ラスト1周を知らせる鐘が鳴ると、勢い良く飛び出して行った。ぐんぐんスピードに乗り、それまで先頭争いをしていた高島由香(デンソー)、萩原歩美(ユニクロ)ら他の選手を引き離す。誰も西原についていくことはできなかった。
昨年は優勝したものの、その後のアジア競技大会は8位入賞。悪い成績ではないが、萩原が銅メダルを獲得しただけに印象は薄かった。今シーズンはケガの影響もあり、なかなか調子が上がらない中で、日本選手権を迎えた。西原も「スタート悪かったが、何とか戻すことができた」と安堵の表情を見せた。初の世界選手権に向けて、「まだまだ力不足。もっと強い選手になっていいレースをしたい」と今後の成長を誓った。
初日の決勝結果は次の通り。
<男子3000メートル障害>
1位 潰滝大記(中央学院大) 8分32秒89
2位 篠藤淳(山陽特殊製鋼) 8分36秒61
3位 山下洸(NTN) 8分36秒61
<女子1万メートル>
1位 西原加純(ヤマダ電機) 32分6秒48
2位 高島由香(デンソー) 32分7秒91
3位 小原怜(天満屋) 32分8秒59
<女子走り高跳び>
1位 渡邉有希(ミライトテクノ) 1メートル81
2位 井上七海(オークワ) 1メートル78 ※順位は試技数による
3位 津田シェリアイ(東大阪大) 1メートル78
<女子棒高跳び>
1位 竜田夏苗(モンテローザ) 4メートル15
2位 仲田愛(水戸信用金庫) 4メートル10
3位 我孫子智美(滋賀レイクスターズ) 4メートル
<女子三段跳び>
1位 中尾有沙(祐和會) 13メートル09
2位 吉田麻佑(歩アスレチックス) 13メートル06
3位 前田和香(PEEK) 12メートル97
<女子円盤投げ>
1位 坂口亜弓(S.T.T.) 53メートル58
2位 藤森夏美(順天堂大) 49メートル57
3位 中田恵莉子(四国大クラブ) 49メートル23
<女子やり投げ>
1位 海老原有希(スズキ浜松AC) 59メートル11
2位 助永仁美(オークワ) 58メートル51
3位 斉藤真理菜(国士舘大) 57メートル73
※選手名の太字は世界選手権代表に内定
(文・写真/杉浦泰介)