「マツダオールスターゲーム2015」第1戦が17日、東京ドームで行なわれ、中盤に逆転した全セが8−6で先勝した。全セは2回に1点を先制したものの、直後に清田育宏(千葉ロッテ)の3ランなどで逆転を許す。しかし、5回に梶谷隆幸(横浜DeNA)のタイムリー二塁打もあって4−4の同点に追いつくと、6回には阿部慎之助のソロで勝ち越し。その後も得点を重ね、全パの反撃をかわした。MVPには4回から登板し、3イニングをパーフェクトに封じた藤浪晋太郎(阪神)が選ばれた。

◇第1戦
 初出場の鈴木(巨人)、代走で二盗成功(東京ドーム)
全パ   6 = 004000002
全セ   8 = 01102301×
(パ) 大谷−西−●涌井−森−宮西−松井
(セ) 菅野−○藤浪−高木−山口−山崎
本塁打  (パ)清田3ラン
       (セ)阿部ソロ
 交流戦では大きく負け越したセ・リーグがオールスターでは、まず意地をみせた。
 全セが菅野智之(巨人)、全パが大谷翔平(北海道日本ハム)の両先発でゲームはスタート。先手をとったのは全セだ。2回、試合前のホームランダービーで優勝した筒香嘉智(DeNA)がレフトフェンス直撃の二塁打で出塁。1死後、チームメイトのホセ・ロペスがセンター前にはじき返して先制する。

 大谷は2回1失点で降板。ストレートの最速は159キロで、前年にマークした162キロ超えはならなかった。「6人で終わろうと思っていましたが、打たれました。1球だけ狙っていったが(球速が)出なかった」と本人も苦笑いのマウンドだった。

 先行を許した全パも直後に反撃。3回、角中勝也(ロッテ)、今宮健太(福岡ソフトバンク)の連続二塁打ですぐさま同点に追いつく。なおも1死一、二塁で打席には2番の清田。菅野のスライダーを振り抜くと左中間に飛び込む勝ち越し3ランとなった。

 だが、全セもその裏、3連打で満塁のチャンスをつくり、筒香がレフトへ犠牲フライをあげ、1点を返す。その流れをグッと引き寄せたのが、4回からマウンドに上がった藤浪だ。4回、5回と3人で切って取ると、6回は、森友哉、中村剛也(ともに埼玉西武)、中田翔(日本ハム)との大阪桐蔭出身同士の対決を制し、3イニングを完璧に封じる。

「力勝負で行って、特に森さんを抑えられて良かった」
 MVPを獲得する快投に加え、高校時代にバッテリーを組んだ後輩との勝負にも勝利。右腕からシーズン中にはあまり見られない笑みがこぼれた。

 全セは5回に先頭の中村悠平(東京ヤクルト)がヒットで出塁すると、原辰徳監督は19年目で初出場を果たした鈴木尚広を代走で起用。「シーズン中にはないプレッシャーがあったが、初球からいけた」と鈴木は期待に応え、二盗を決める。さらに梶谷の左中間を破る当たりで一気に本塁へ生還。なおも1死三塁で山田哲人の打球が三塁手のエラーを誘い、4−4と試合を振り出しに戻す。

 さらに6回、阿部が全パ3番手の涌井秀章(ロッテ)からレフトポール際へ運ぶ。本人が「久々にしっかり振れた」という一発で全セは勝ち越し。なおも川端慎吾(ヤクルト)、鳥谷敬(阪神)のタイムリーが生まれて、7−4とリードを広げた。

 全セは8回に、途中出場の広島勢が菊池涼介、田中広輔と揃って長打を放ち、1点を追加。4点差として最終回には新人ながらリーグ2位の23セーブをあげている山崎康晃(DeNA)が登場する。その山崎が緊張からか3安打を浴びて2点を失うと、原監督がマウンドへ向かう。

「これだけのメンバーが守っているから安心して投げろ」
 そう声をかけると、落ち着きを取り戻した守護神は、最後のバッターを得意のツーシームで空振り三振に仕留め、試合を締めくくった。

 18日の第2戦は広島のマツダスタジアムに場所を移し、全セが黒田博樹(広島)、全パが地元・広陵高出身の吉川光夫(日本ハム)が先発する。