現地時間6日、水泳の世界選手権14日目がロシア・カザンで行われ、競泳女子200メートルバタフライ決勝で、ロンドン五輪同種目銅メダリストの星奈津美(ミズノ)が2分5秒56で優勝した。星は世界選手権自身初の表彰台で、日本女子初の金メダル獲得。これにより、来年のリオデジャネイロ五輪代表に内定した。女子800メートルフリーリレー決勝は米国が7分45秒37で制した。日本は五十嵐千尋(日体大)、池江璃花子(ルネサンス亀戸)、持田早智(ルネサンス幕張)、青木智美(STSC.YW)で臨み、7分54秒62で7位入賞。男女400メートルフリーリレーに続き、リオ五輪の出場枠を獲得した。
“3度目の正直”で最高の輝きを手にした。200メートルバタフライで星が、センターポールに日の丸を掲げることに成功した。

 星は100メートルバタフライは準決勝敗退に終わったものの、得意の200メートルでは実力を如何なく発揮した。前日の予選を2分7秒97で全体5位、準決勝を2分6秒36で全体トップと、順調に決勝へとコマを進めてきた。

 迎えた決勝。4レーンの星は入りの50メートルを28秒81で泳ぎ、6番手につけた。100メートルのターンで4番手に浮上する。後半勝負の星は100メートルから150メートルまでをトップタイの32秒16で泳ぎ、ひとつ順位を上げて、最後のターンをする。表彰台圏内に入り、ラストの50メートルにすべてをかけた。

 羽ばたくような躍動感。グングン加速し、2人を抜き去ると、残り25メートルで頭ひとつ抜け出した。そのまま勢いは衰えることなく、ラストの50メートルも32秒16とトップのラップを叩き出し、最後は身体ひとつ分ほどの差をつけてフィニッシュ。2分5秒56で、誰よりも速くゴール板に触れた。

 ロンドン五輪ではこの種目銅メダルを獲得していた星だが、世界選手権はこれまで上海、バルセロナと2大会連続で4位と表彰台にわずかに届かなかった。3度目の出場で、ついに悲願を達成。それもその真ん中に立つことで叶えた。

 主な決勝結果は次の通り。

<女子200メートルバタフライ・決勝>
1位 星奈津美(ミズノ) 2分5秒56
2位 カミーレ・アダムス(米国) 2分6秒40
3位 ツァン・ユーフェイ(中国) 2分6秒51  ※世界ジュニア新

<女子800メートルフリーリレー・決勝>
1位 米国 7分45秒37
2位 イタリア 7分48秒41
3位 中国 7分49秒10
7位 日本(五十嵐、池江、持田、青木) 7分54秒62

(文/杉浦泰介)