(写真:皇治<左>に判定で圧勝した那須川<右> ©RIZIN FF)

 27日、総合格闘技イベント「RIZIN.24」がさいたまスーパーアリーナで行われた。那須川天心(TARGET/Cygames)がRIZIN初参戦となった元K-1ファイターの皇治(TEAM ONE)に判定勝ちを収めた。8月の試合でRIZINバンタム級王者に輝いた朝倉海(トライフォース赤坂)は昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)に1ラウンドTKO勝ちした。

 

「ナメんじゃねぇよ!」

 花道からリングに向かう途中、那須川は叫んだ。皇治の対戦要求に応えるかたちで実現した一戦。試合前から皇治の挑発を受けており、いつも以上にヒートアップしているように映った。

 

 1ラウンドから那須川は攻勢を仕掛ける。強烈な左右のパンチを当てながら、飛び膝蹴りで仕留めにかかる。皇治は流血するなど、守勢に回るシーンが目立ったものの、このラウンドを耐え抜いた。

 

(写真:KOこそ逃したが、持ち味のスピードは発揮した那須川 ©RIZIN FF)

 2ラウンド目も那須川がリードする展開は変わらない。それでもダウンを喫しない皇治に対し、ラウンド終盤には会場から皇治コールが送られた。3ラウンドでは那須川が下がる場面もあったが、大きなダメージを受けることもなかった。

 

 結果は判定3-0で那須川の勝利。「熱いファイトができて良かった」とリング上で語った。倒し切れなかった那須川、アップセットを起こせなかった皇治。那須川のスピードと皇治のタフネスと持ち味は発揮したが、どこか不完全燃焼な部分も感じられたように見えた。

 

(写真:前戦に続き1ラウンドKO勝ちを収めた朝倉海 ©RIZIN FF)

 バンタム級のベルトを獲得し、RIZINのエース格に成長した朝倉兄弟の弟・海は、前戦から1カ月後の参戦だ。今回はセコンドに兄・未来が付かなかったが、パンクラスで初代ライト級王者に輝いた昇侍を圧倒した。

 

 1ラウンド中盤に試合は動いた。朝倉海が左、右のワンツーで昇侍からダウンを奪う。パウンドで仕留めにかかり、そこからサッカーボールキック。再度見舞おうとしたサッカーボールキックは空を斬ったものの、レフェリーが試合を止めた。

 

 大晦日で堀口恭司(アメリカン・トップチーム)との再戦を視野に入れている。バンタム級最強を証明するため、世界へと飛び立つための準備は続く。

 

(文/杉浦泰介)